診療科・部門

薬剤部/臨床薬剤部

令和4年11月改訂

概要

現在、当院では1100品目以上の医薬品が採用されています。 薬剤部・臨床薬剤部では、処方されたお薬について、最適な医薬品が選択され、正しく使用されているか、期待通りの治療効果を得られているか、あるいは副作用が出ていないかなどを確認しています。また、みなさまが安心してお薬を使用し、安全な治療が進められるよう次のような業務を行っています。

内田 幸作 薬剤部長
加藤 正孝 臨床薬剤長

業務内容

注射薬の管理業務

注射室では、注射箋に従い、注射薬の投薬状況の確認や払出しを行っています。処方された注射薬の相互作用、患者さんの状態、投薬量等を確認した上で、病棟へ払い出しています。
処方された内容に疑義がある場合は、照会内容をカルテに記録し、医療スタッフとの連携を図っています。

当院には多種の抗がん剤の取扱いがあり、使用量等の管理には細心の注意を払っています。一部の抗がん剤は、日付、病棟、個数、残数を記録し、管理しています。休日や長期休暇にも対応するため、日々、在庫管理を行っています。

調剤業務

調剤室では、主に入院患者さんへの内服・外用薬の調剤を行います。
処方箋が発行されると、薬剤師が薬の量や服用方法に問題がないか、注意すべき相互作用がないかなどを確認し、必要に応じ医師に問い合わせを行います。
がんの痛みなどに使用する医療用麻薬も数多く扱っており、特に厳重に管理しています。
治療に用いる抗がん剤のみならず、副作用対策の薬(吐き気止め、口内炎治療薬など)も多く取り扱います。

病棟活動

病棟での業務は、医師や看護師などの医療スタッフと連携をとり、安全に薬物療法が行えるように次の様々な取り組みを行っています。

持参薬の確認

入院時に持参されたお薬やお薬手帳を基に服薬状況を確認し、サプリメントなどの使用状況もお聞きしています。手術前に中止の必要のある薬や相互作用などを確認し、代替薬の提案などを行い、カルテに情報を記載するなどして、医師や看護師とも情報共有します。

投薬状況の把握

入院患者さんの飲み薬(内服薬)や注射薬の状況確認をしています。主な確認内容としては、重複した投薬がないか、相互作用の有無、不適切な用法・用量などがあります。

医療スタッフへの助言や相談応需

医師や看護師などの医療スタッフからの相談に対し薬学的視点から助言をするなど医薬品に関する相談への応需を行っています。
主な相談内容としては、注射薬の配合変化や投薬順序、オピオイドスイッチの換算、処方薬の自己管理評価に向けた調剤・製剤上の工夫などがあります。副作用により治療が行えなかったり、効果が減弱することがないように副作用のモニタリングを行うとともに、支持療法の提案を行っています。

副作用モニタリング

抗がん剤は副作用を発現しやすい薬剤です。
副作用の発現状況の確認を行うとともに、必要があれば医師への処方提案をしています。副作用の症状が出たり、または「ふだんと違う、おかしいな?」と思った時はすぐに医療スタッフにお知らせください。

医薬品の管理

容態が急変した場合などに用いる救急カートや定数薬について数量、使用期限、在庫量などを定期的に確認し、常に迅速かつ安全に使用できる医薬品管理に努めています。

DI(ドラッグ・インフォーメーション)業務

医薬品情報管理室では、薬の最新情報の収集と提供に努めています。薬の専門家として、薬の効果と副作用を評価し、医師・看護師・その他の医療従事者、そして患者に情報提供することで、適切な薬物療法の実施につなげ、医療の質の向上と安全管理に努めています。
医薬品情報の収集だけでなく、院内へのアナウンス、薬に関する問い合わせの対応も行っています。

薬剤管理指導業務

薬剤師は調剤を行うだけでなく、外来や入院中の患者さんに対し、薬の効果や正しい使い方、主な副作用などの説明を行っています。 また、薬が投与された後も、副作用や飲み合わせの確認を行い、安全な薬物療法を提供できるように努めています。
処方された薬の説明だけでなく、患者さんの様子を確認した上で、副作用に対する支持薬の提案、医療従事者に対する情報提供なども行っています。

抗がん剤の調製業務

がん化学療法のための注射剤を安全キャビネット(抗がん剤が空気中に漏れることを防ぐ装置)の中で調製しています。安全キャビネットの中で調製された注射剤が正しく調製されているか確認してから、外来化学療法センターや病棟へ払出しています。
抗がん剤調製の際は、キャップ、ガウン、マスク、ゴーグル及び手袋を着用して行っています。

調製した抗がん剤輸液のボトルの中に溶け残りや異物の混入などがないか目視で確認した上で、病棟等へ払い出しています。

治験薬等管理業務

当院では、数多くの治験が行われています。治験とは、薬の候補を用いて、人での効き目や安全性を調べる国の承認を得るための臨床試験のことをいいます。
病院で使われている薬やみなさんが普段使っている薬は治験を経て、製造・販売されています。薬剤部では、治験に用いられる薬を決められた手順に従って管理し、治験の適正な実施に努めています。

チーム医療への参加

当院では、がん化学療法チーム、緩和ケアチーム、院内感染対策チーム、栄養サポートチームなどが活動しています。薬剤師は薬の専門職としてチームに参加し、患者さんへより安全で効果的な薬物療法を提供するように努めています。チーム医療とは、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などの様々な医療スタッフがチームを組み、それぞれの専門性を生かして情報を交換し、患者さんにより良い治療を提供する取り組みです。

開催場所:愛知県がんセンター 国際交流センター 大会議室

薬剤部リーフレット

医療関係者の方へ

がん化学療法レジメン

はじめに

当院は、がん化学療法を受ける患者さんが適切かつ安全に治療を受けることができるように、当院で使用しているレジメンを公開しております。当院のレジメンは、化学療法レジメン登録審査部会で審査のうえ、がん化学療法委員会で承認されたものです。公開資料は、主に地域の保険薬局薬剤師、訪問看護師等の医療者が利用する目的で公開しており、その他の目的での用途は想定しておりません。利用される医療従事者の方々は、患者さんの状態などにより、投与量、投与スケジュールが変更される場合があることをご留意ください。

地域医療機関・保険調剤薬局の方へ

当院では患者のレジメン(治療内容)についての相談及び情報提供を、以下の連絡先より受け付けております。緊急性のある場合は、直接電話にてお問合せください。

レジメンの問い合わせ

薬剤部 医薬品情報室
Mail: yakuzai.di@aichi-cc.jp Tel:052-762-6111(代表)内線3707

保険薬局からの患者情報の提出

患者情報のフィードバックは、以下のファイルを使用して行ってください。

提出先:薬剤部 調剤室 Fax:052-764-9770
緊急性の高い場合 052-762-6111(代表)内線:3720

受付時間

平日 8時45分~16時30分

採用薬品集について

当院の採用医薬品集は一般社団法人愛知県薬剤師会ホームページ(会員用サイト)にて閲覧できます。

主な活動

がん化学療法に係る研修会等について

当院が開催するがん治療に関わる研修会の案内を掲載しています。

第30回医看薬薬連携研究会

  • 第30回医看薬薬連携研究会 [PDFファイル/568KB]
    (本研究会は地域の薬局薬剤師等を対象にした研修会として実施いたします。)
  • 開催日時:2023年12月6日(水曜日)
  • 開催場所:愛知県がんセンター 国際交流センター 大会議室(WEB参加可能)

第29回医看薬薬連携研究会

第28回医看薬薬連携研究会

  • 第28回医看薬薬連携研究会[PDFファイル/723KB]
    (本研究会は地域の薬局薬剤師等を対象にした研修会として実施いたします。)
  • 開催日時:2021年12月15日(水曜日)
  • 開催場所:愛知県がんセンター 国際交流センター 大会議室