緩和ケアセンター
令和4年1月改訂
概要
本院では、緩和ケアを患者さまに迅速に提供するために、緩和ケアチームや緩和ケア外来等の専門的な緩和ケアの質の向上と提供体制の整備を行ってきました。そして、2014年4月1日に緩和ケアセンターが設立されました。これは、当院が満たすべき、都道府県がん診療連携拠点病院の指定要件の一つでもあります(図1)。
下山 理史
センター長
兼 緩和ケア部長
関連リンク
業務内容
外来患者さんには
- 外来緩和ケアへのアクセスの改善を目指します(がん看護外来や緩和ケア・疼痛看護外来、緩和ケア外来など)。
- がんサロンなど幅広いサポートを提供します。
- 治療・療養に関する意思決定支援を続けます。(アドバンス・ケア・プランニング※も含みます)
- 病院全体が取り組む患者さんの苦痛のスクリーニングをサポートすることにより、より多くの患者さんにより早くから緩和ケアを提供できるようにします。
- 現在、受診頂ける医師による緩和ケアの外来は以下の通りです。(センターメンバーの看護師はそれぞれがん看護外来の担当も行っています)
緩和ケア科
主にからだのつらさ(痛みだけでなく、息苦しさ、悪心、倦怠感、気持ちのつらさなど様々な症状)についてのケアと意思決定の支援(治療や療養に関する迷いなどを一緒に整理し考えます)を行います。
担当医:下山理史(基本的には火木午前のみですが、主治医の外来曜日に合わせて柔軟に診療させていただいています)、長谷川貴昭(金曜のみ)
精神腫瘍科
こころのつらさ(不安、気持ちのつらさ、などの症状)についてのケアを行います。
担当医:小森康永(平日午前予約のみ)
ペインクリニック
からだの疼痛コントロールを主に麻酔科的技術(神経ブロックなど)を用いて行います。
担当医:木村智政(水曜午後のみ)
緩和ケア科(セカンドオピニオン外来)
主にからだのつらさについて他院受診中の患者さんから相談を受けています。緩和ケアのためだけの入院は担当医が1名ですので原則お引き受けすることが難しいですが、セカンドオピニオンのご相談にはどうぞお気軽にお越しください。
担当医:下山理史(基本的には火曜午前のみですが、日にちはご相談ください)
入院患者さんには
- 緩和ケアチームへのアクセスを改善します(患者さんやご家族からも含め、だれからでも依頼できる体制を確保しています)。
- がん治療と並行した、より早期からの質の高い緩和医療を提供します。
- 治療・療養に関する意思決定支援を続けます。(アドバンス・ケア・プランニング※ も含みます)
- 病院を挙げて取り組んでいる入院患者さんの身体的苦痛や精神心理的苦痛、社会的苦痛等のスクリーニングをサポートして、ケアの提供を円滑にします。
- 入院患者ご家族の生活の質の維持・向上を支援します。
- がん疼痛や症状悪化時などに対応できる体制を整備します(かかりつけ患者や連携協力リストを作成した在宅療養支援診療所などからの紹介患者を対象として緊急緩和ケア病床の確保)。
- 緩和ケアに係る診療や相談支援の件数及び内容、医療用麻薬の処方量、苦痛のスクリーニング結果など、院内の緩和ケアに係る情報を把握・分析し、評価を行います。
当院の緩和ケアチームメンバーの目印は、このバッジです。このバッジをつけるスタッフを見かけましたらお気軽にご相談ください。
アドバンス・ケア・プランニングとは、今後の治療・療養について患者さんやご家族と医療・介護従事者が、その患者さんの価値観や人生の目標、将来の医療に関する希望等について、あらかじめ理解を深めながらともに話し合う自発的なプロセス(過程)のことです。(参考:Sudore RL, et.al. J Pain Symptom Manage. 2017)日本では厚生労働省がこれを2018年11月30日に「人生会議」と銘打ち、推進を図っています。
院内連携として
- 緩和ケアチームとして情報提供、診療サポートを続けます。もちろん入院時から外来にかけて切れ目なくサポートします。
- がん診療に携わる診療従事者に対して定期的な緩和ケアに関する院内研修会などを開催し、修了者を把握する等、研修の運営体制を構築します。
- 院内で行われているいくつかの合同カンファレンスに緩和ケア医や精神腫瘍診療科医も参加しています。
- 地域医療機関との合同カンファレンスを多職種で実施します。
- 薬剤師(緩和薬物療法認定薬剤師)・歯科医師・臨床心理士・理学療法士・管理栄養士・歯科衛生士などとの協働を進めます。
参考
- Speak Up
- 自らが望む人生の最終段階における医療・ケアHp(厚生労働省ホームページ)(リンク切れ)
地域の医療機関の方々には
- 地域の病院や在宅療養支援診療所、ホスピス・緩和ケア病棟などの皆さまと共同し、地域性に配慮した患者さんやご家族に寄り添った緩和ケア診療をサポートしています。
- 医療圏内における緩和ケア診療の実態把握(緩和ケア提供体制の把握など)を行います。
- 在宅患者の急変時(症状増悪時など)へ対応できるようにします(緊急緩和ケア病床を含む)。
- 緩和ケアに関する情報の集約とわかりやすい広報を行います。
- 在宅医療機関との情報共有・診療連携を強化します(地域におけるカンファレンスなども含む)。
- 療養に関する意思決定支援を続けます。(地域の皆さんと一緒になったアドバンス・ケア・プランニング※も行います。)
- 第4回 地域連携緩和ケア勉強会・カンファレンスのお知らせ [PDFファイル/453KB]
業務実績
- 看護師
- 薬剤師
- ソーシャルワーカー
- 理学療法士
- 栄養士
患者さんへ
がんの家族教室
講義用資料【2015】
第1回 なぜ家族はがんについて勉強するのか?(2015年4月16日)
第2回 がんとは何か? 症状、治療、経過を中心に(2015年5月7日)
第3回 緩和ケアには何が出来るのか?(2015年5月21日)
第4回 生活と仕事(2015年6月4日)
第5回 がんを子どもにいかに伝えるか?(2015年6月18日)
第6回 ホスピス・在宅ケアについて何を知っておくべきか?(2015年7月2日)
スタッフ紹介
日本サイコオンコロジー学会 代議員
コミュニケーション技術研修会 認定ファシリテーター
日本外科学会 認定登録医
日本消化器外科学会 消化器外科治療認定医
日本がん治療認定医機構 認定医
がん診療に携わる医師のための研修会 指導者
日本緩和医療学会
日本サイコオンコロジー学会
日本死の臨床研究会
日本癌治療学会
日本臨床腫瘍学会
日本臨床倫理学会
日本外科学会
日本消化器外科学会
日本口腔ケア学会
日本在宅医療連合学会 等
精神保健指定医
臨床心理士
日本サイコオンコロジー学会登録精神腫瘍医
医学博士
日本緩和医療学会
日本サイコオンコロジー学会
日本精神神経学会
日本家族研究・家族療法学会 編集委員長・評議員
日本描画テスト・描画療法学会
主な活動
緩和ケア勉強会・連携カンファレンス
2020年7月より、withコロナの「新しい生活様式」にあわせ、Webでの開催になります。詳しくは、下記リンクをご参照