井上 聡(いのうえ さとし)
役職
ユニット長
プロフィール
2001年東北大学大学院農学研究科応用生命化学課後期課程、博士(農学)取得。2001-2002年国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター博士研究員、2002-2008年Medical Research Council(英国・レスター)博士研究員、2009-2016年Princess Margaret Cancer Center(カナダ・トロント)博士研究員、2017-2018年東京大学医学系研究科ゲノム医学講座特任助教、2018-2021年国立がん研究センター研究所細胞情報学分野特任研究員。2021年6月より現職。
主要研究テーマ
1. キメラ抗原受容体(CAR)、またはT細胞受容体遺伝子を導入した抗腫瘍T細胞による養子免疫療法の改良開発、2. T細胞のメモリー形成・分化、エフェクター機能に関わる分子メカニズムの解明、3. がん細胞とその周囲環境の特性解析
メッセージ
キメラ抗原受容体(CAR)導入T細胞療法は、がん免疫療法の一つとして脚光を浴びておりますが、治療効果が一部の血液腫瘍に限定され、大半の悪性腫瘍に対する治療効果は認められておりません。また体内におけるCAR-T細胞の長期生存能の欠如など多くの課題が残されており、代表的な抗腫瘍治療法として確立されていないのが現状です。遺伝子レベルでCAR-T細胞を改変することにより、長期生存能や腫瘍細胞傷害活性を亢進させるだけでなく、腫瘍細胞に内在する抵抗性機構を減弱化させるような薬剤と併用することで、多くの悪性腫瘍に対するCAR-Tの治療効果を高めるような治療法の開発を目指します。