がん情報・対策研究分野
概要
世界、日本、愛知県のがん登録データを活用した研究に取り組み、がん対策の充実に役立つ情報発信をしています。
がん情報・対策研究分野の研究目的は、がんに罹って苦しんだり、がんで命を落としたりする人を減らすための有効な手立てを見つけること、そして、その手立てが上手に働いているかをモニターし、結果を愛知県や日本のがん対策の推進に結びつけることにあります。私たちは、日本で発生する全てのがん患者さんの情報を収集する「全国がん登録」に深く関わり、愛知県の患者さんの情報を収集する「愛知県がん登録」の運営を医学的に支援しています。そして、愛知県ならびに全国で収集されたデータを元に、県内、国内の地理的・時間的ながんの発生の特徴を分析するという記述疫学研究を行っています。また、病気の原因を特定する分析疫学研究に重要なヒントを与えるような研究にも取り組んでいます。
目指すもの
がんの予防・対策は現在の知識やインフラが理想的に普及すれば、それだけでもかなりの効果が期待できます。その状況を正確にモニターし問題点を見出すことも、有効な手立てを見つけることと同じく重要です。わたしたちは、記述疫学研究を通じて、がんの予防、治療に役立つ情報やエビデンスを積み上げ、がんになる人を減らす、がんが治る人を増やす、がんなっても安心して暮らせるようにすることを目指します。
連絡先
愛知県がんセンター研究所
がん情報・対策研究分野 分野長
伊藤 秀美(いとう ひでみ)
〒464-8681 名古屋市千種区鹿子殿1-1
Tel:052-762-6111(内線)7170
E-mail:hidemi@aichi-cc.jp
研究内容 一般の方へ
研究活動の概要
今や日本人の2人に1人が生涯のうちにがんに罹るようになりました。私たち、がん情報・対策研究分野では、国内でがんと診断されたすべての患者さんの情報を集める「全国がん登録」のデータを元に、どこで、どんな人が、どんながんに罹ったかを分析、記録する「記述疫学※研究」を行っています。がんに罹る状況をモニターし、重点を置くべき検診は何か、予防法は適切かなど、がん対策の問題点を見つけると同時に、がん発生のメカニズムを研究する分野への課題の設定も行っています。
疫学とは 個人ではなく、集団を対象に病気の発生原因や頻度、予防法などを研究すること
「がん登録」について
私たちががんの発生状況を分析するにあたって重要な役割を果たすのが「がん登録」です。 2016年1月から、がんと診断された人のデータは、全国どこの医療機関で診断を受けても、「全国がん登録データベース」で管理されています。愛知県では全国に先駆け、1962年から県内すべてのがん患者さんについて、がんが見つかった経緯や、治療法、その後の経過に関する情報を収集しています。がんが見つかった経緯を分析することは検診の普及率とその重要性を明らかにすることにつながり、患者さんの地理的な分布からは、その地域の生活習慣に加え、都市部と郡部の違いや経済的格差など様々な要因によるがんへの影響を見ることができます。また新たな予防策による患者数の増減や、治療法の改善による生存率の変化を長期的に見ることは、予防や治療の効果の検証につながっています。
なお、愛知県のがん患者さんの情報は、報告書「愛知県のがん登録」として毎年まとめられています。
研究テーマ
がん情報・対策研究分野での研究のテーマについて、伊藤秀美分野長に聞きました。
がん患者さんの情報を分析することで具体的にどんなことがわかるのでしょうか。
私たちの研究では、がん登録の情報に社会状況の変化などを加えて、発生するがんの種類や患者数の変化を長期的にモニターし、分析しています。例えば肺がんのリスク要因であるタバコは、1960年代からフィルター付きのものが普及しました。これにより気管支に近いところにできる扁平上皮がんは減りましたが、肺のもっと深いところで起きる肺腺がんに罹る率は逆に高くなっていることが2000年代に入ってわかってきました(図1)。長くがんの発生状況のデータを蓄積し、分析してきた結果、肺がんの予防法を見直す必要性を感じると同時に、今後も肺がん予防をモニターしていく重要性を感じました。
ここでの研究成果はどのように自治体のがん対策に役立っていくのでしょうか?
愛知県が、自治体として取り組むべき課題は、施設の整備に加え、検診の充実、がん予防についての教育など様々ありますが、限りある予算でどんながん対策をすれば、がんにかかる人やがんで亡くなる人を効果的に減らせるのか、力を入れて取り組むべき課題は何であるかを示したいと考えています。2006年から2008年に初期の前立腺がんと診断された高齢の患者さんを分析したところ、手術やホルモン治療をした患者さんと、経過観察のみで治療をしなかった患者さんとの間で、5年生存率に差がないという研究結果が得られています(図2)。
こうした結果は、患者さんの無用な負担を減らすとともに、検診のあり方を見直し、医療費を削減することにもつながります。治療のあり方はもちろん、行政のがん対策を見直すきっかけになると考えています。
私たちの研究分野では、がんに罹る人を減らすために、病院で治療を始める前にできることに重点を置き、愛知県とも協力して地域のがん対策を発展させることを目標としています。
目指すもの
私たちは、愛知県がん登録でのより精度の高い情報収集に向けた支援をしながら、愛知県の実情にあったがんの予防、検診、治療の実現に貢献したいと考えています。
愛知県や国内外のがん登録に加え、診療の詳しい情報、人口動態調査や国勢調査などの公的データを広く集めたビッグデータを解析し、愛知県のがん発生の特徴をより明らかにすることで、県独自のがん対策の構築に寄与することを目指しています。
研究内容 専門家の方へ
我々は、世界、日本の地域がん登録データを用いた記述疫学研究に取り組んでいます。ここにご紹介するテーマはほんの一部です。それぞれ研究者が興味を持ったトピックについて、適切な統計手法を用いて地域がん登録データを解析しています。
前立腺がん治療に過剰治療は存在するか?
超高齢化時代を迎え、高齢者のがん患者数は増加しています。その中で、前立腺がんは75歳以上の高齢者の男性がかかる第3位のがんです。低リスクの前立腺がん患者に対し治療しない経過観察という選択は、医療費の削減や治療による副作用を考慮すると妥当ですが、日本においては十分に検討されていません。今回ご紹介する研究では、地域がん登録データを活用し、高齢者の前立腺がんの過剰治療の可能性について評価しました。
研究の対象者は、MCIJにおいて生存率を推計するのに利用された都道府県がん登録に登録されている、2006-2008年診断の前立腺患者48,782人で、日本人口の33%をカバーするデータです。進行度、分化度、治療における欠損値は、多重代入法で補完しました。5年相対生存率(Edere II法)で算出し、5年相対生存率が100%以上であった場合、前立腺がんに関連する過剰死亡がないと定義しました。
診断時年齢を3つのグループ(余命10年以上の75歳未満、余命5年以上10年未満の75歳以上80歳未満、余命5年未満の80歳以上)に分けて、それぞれ進行度別限局、領域、遠隔転移)に5年相対生存率を示しました。領域、遠隔転移の前立腺がん患者の生存率はどの年代も100%を下回っているのに対し、限局ではどの年代でも100%を超えていました(下図)。
そこで、限局前立腺がんに対象をしぼって、年齢グループ毎に、積極的治療をしたグループ(治癒的切除とホルモン療法)と経過観察のみで治療をしていないグループに分けて、5年相対生存率を算出しました。どの年齢グループにおいても、限局前立腺がんでは、治療をしてもしなくても、5年相対生存率は100%を上回っていました。また、経過観察のみの80歳以上の限局前立腺がん患者では、分化度によらず、5年相対生存率は100%を上回っていました(下図)。
80歳未満の前立腺がん患者については、余命を考えると、5年以上の観察期間が必要ですので、進行度が限局であっても、過剰死亡がないと結論づけられませんが、本研究の結果から、80歳以上の限局前立腺がん患者では治療しなくても過剰死亡がないことが分かりました。本研究の対象者で80歳以上の限局前立腺がん患者は2963名で、そのうち、252名(8.5%)が治癒的切除を、1478名(49.8%)がホルモン療法を受けていたことを考えると、少なくとも、80歳以上の限局前立腺がん患者58.3%は過剰治療を受けていた可能性が示唆されました。
【出典】
Masaoka H, Ito H, Yokomizo A, Eto M, Matsuo K. Potential overtreatment among men aged 80 years and older with localized prostate cancer in Japan. Cancer Sci. 2017; 108(8): 1673-80.
たばこ消費量と肺がん発生との関係
図1は、全国9府県の地域がん登録のデータを元に、男性の肺がん罹患率(発生率)のトレンドを分析したものです。扁平上皮がんにかかる患者が減少し、腺がんにかかる患者さんが増加しているのが分かります。
さらに詳しく見ていくと、肺がん罹患率は人口の高齢化の影響を除くと、92年をピークに減少していたことが明らかになりました(図2)。
これは、フィルターのないたばこの使用が1960年代にフィルター付きたばこに置き換わったことにより、扁平上皮がんが1990年代初めに大きく減少に転じたことによります(図3)。
一方、フィルター付きたばこは1960年代から急激に市場に出回り普及しましたが、1970年代半ばからたばこ消費量全体の減少によりその消費量が減少しました。このため、フィルター付きたばこが原因で起きる肺腺がんの罹患率は1998年まで増加していたトレンドから、横ばいに転じました(図4)。
このように地域がん登録データは、がんの発生の特徴を分析し、モニタリングする手段として、大変重要です。
【出典】
Ito H, et al. Nonfilter and filter cigarette consumption and the incidence of lung cancer by histological type in Japan and the United States: analysis of 30-year data from population-based cancer registries. Int J Cancer. 2011;128(8):1918-28.
愛知県がん登録情報の活用
我々は、精度向上のため愛知県がん登録を支援し、またその情報を活用しています。愛知県のがんの把握のみならず、下記のとおり、様々な共同研究にも積極的に参加しています。
- 全国のがん患者数を推計するため、厚生労働科学研究費に基づく研究活動の一環として情報を提供し、2015年診断のがん罹患モニタリング推計に利用されています(全国がん罹患モニタリング集計:国立がん研究センターより公表)。
- さらに、国際がん研究機関(IARC, リヨン)が世界で精度の高い地域がん登録のデータを集めて刊行する「5大陸のがん(第10巻、英語、2014年)」にも愛知県がん登録データが掲載され、国際的ながんの生存率の共同研究(CONCORD研究)にも協力しています。
スタッフ紹介
(医学博士、公衆衛生学修士)
業績
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- Koyanagi YN, Oze I, Kasugai Y, Kawakatsu Y, Taniyama Y, Hara K, Shimizu Y, Imoto I, Ito H, Matsuo K. New insights into the genetic contribution of ALDH2 rs671 in pancreatic carcinogenesis: Evaluation by mediation analysis. Cancer Sci. 2022 Apr;113(4):1441-1450.
- Kawakita D, Oze I, Iwasaki S, Matsuda T, Matsuo K, Ito H. Trends in the incidence of head and neck cancer by subsite between 1993 and 2015 in Japan. Cancer Med. 2022 Mar;11(6):1553-1560.
- Masuda T, Ito H, Hirata J, Sakaue S, Ueda Y, Kimura T, Takeuchi F, Murakami Y, Matsuda K, Matsuo K, Okada Y. Fine Mapping of the Major Histocompatibility Complex Region and Association of the HLA-B*52:01 Allele With Cervical Cancer in Japanese Women. JAMA Netw Open. 2020 Oct 1;3(10):e2023248.
- Ishikura N, Ito H, Oze I, Koyanagi YN, Kasugai Y, Taniyama Y, Kawakatsu Y, Tanaka T, Ito S, Tajika M, Shimizu Y, Niwa Y, Matsuo K. Risk Prediction for Gastric Cancer Using GWAS-Identified Polymorphisms Helicobacter pylori Infection and Lifestyle-Related Risk Factors in a Japanese Population. Cancers (Basel). 2021 Nov 3;13(21):5525.
- Kawakatsu Y, Koyanagi YN, Oze I, Kasugai Y, Morioka H, Yamaguchi R, Ito H, Matsuo K. Association between Socioeconomic Status and Digestive Tract Cancers: A Case-Control Study. Cancers (Basel). 2020 Nov 4;12(11):3258.
- Shimatani K, Ito H, Matsuo K, Tajima K, Takezaki T. Cumulative cigarette tar exposure and lung cancer risk among Japanese smokers. Jpn J Clin Oncol. 2020 Sep 5;50(9):1009-1017.
- Usui Y, Ito H, Koyanagi Y, Shibata A, Matsuda T, Katanoda K, Maeda Y, Matsuo K. Changing trend in mortality rate of multiple myeloma after introduction of novel agents: A population-based study. Int J Cancer. 2020 Dec 1;147(11):3102-3109.
- Koyanagi YN, Suzuki E, Imoto I, Kasugai Y, Oze I, Ugai T, Iwase M, Usui Y, Kawakatsu Y, Sawabe M, Hirayama Y, Tanaka T, Abe T, Ito S, Komori K, Hanai N, Tajika M, Shimizu Y, Niwa Y, Ito H, Matsuo K. Across-Site Differences in the Mechanism of Alcohol-Induced Digestive Tract Carcinogenesis: An Evaluation by Mediation Analysis. Cancer Res. 2020 Apr 1;80(7):1601-1610.
- Ugai T, Ito H, Oze I, Saito E, Rahman MS, Boffetta P, Gupta PC, Sawada N, Tamakoshi A, Shu XO, Koh WP, Gao YT, Sadakane A, Tsuji I, Park SK, Nagata C, You SL, Pednekar MS, Tsugane S, Cai H, Yuan JM, Xiang YB, Ozasa K, Tomata Y, Kanemura S, Sugawara Y, Wada K, Chen CJ, Yoo KY, Chia KS, Ahsan H, Zheng W, Inoue M, Kang D, Potter J, Matsuo K. Association of BMI, Smoking, and Alcohol with Multiple Myeloma Mortality in Asians: A Pooled Analysis of More than 800,000 Participants in the Asia Cohort Consortium. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2019 Nov;28(11):1861-1867.
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- Koyanagi YN, Matsuo K, Ito H, Tamakoshi A, Sugawara Y, Hidaka A, Wada K, Oze I, Kitamura Y, Liu R, Mizoue T, Sawada N, Nagata C, Wakai K, Nakayama T, Sadakane A, Tanaka K, Inoue M, Tsugane S, Sasazuki S. Body-Mass Index and Pancreatic Cancer Incidence: A Pooled Analysis of Nine Population-Based Cohort Studies With More Than 340,000 Japanese Subjects. J Epidemiol. 2018 May 5;28(5):245-252.
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- Koyanagi YN, Ito H, Oze I, Hosono S, Tanaka H, Abe T, Shimizu Y, Hasegawa Y, Matsuo K. Development of a prediction model and estimation of cumulative risk for upper aerodigestive tract cancer on the basis of the aldehyde dehydrogenase 2 genotype and alcohol consumption in a Japanese population. Eur J Cancer Prev. 2017 Jan;26(1):38-47.
- Koyanagi YN, Matsuo K, Ito H, Wakai K, Nagata C, Nakayama T, Sadakane A, Tanaka K, Tamakoshi A, Sugawara Y, Mizoue T, Sawada N, Inoue M, Tsugane S, Sasazuki S; Research Group for the Development and Evaluation of Cancer Prevention Strategies in Japan, Sasazuki S, Tsugane S, Inoue M, Iwasaki M, Otani T, Sawada N, Shimazu T, Yamaji T, Tsuji I, Tsubono Y, Nishino Y, Tamakoshi A, Matsuo K, Ito H, Wakai K, Nagata C, Mizoue T, Tanaka K, Nakayama T, Sadakane A; Research Group for the Development and Evaluation of Cancer Prevention Strategies in Japan. Cigarette smoking and the risk of head and neck cancer in the Japanese population: a systematic review and meta-analysis. Jpn J Clin Oncol. 2016 Jun;46(6):580-95.
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- Chihara D, Ito H, Izutsu K, Hattori M, Nishino Y, Ioka A, Matsuda T, Ito Y. Advance and stagnation in the treatment of patients with lymphoma and myeloma: Analysis using population-based cancer registry data in Japan from 1993 to 2006. Int J Cancer. 2015 Sep 1;137(5):1217-23.
- Ito Y, Miyashiro I, Ito H, Hosono S, Chihara D, Nakata-Yamada K, Nakayama M, Matsuzaka M, Hattori M, Sugiyama H, Oze I, Tanaka R, Nomura E, Nishino Y, Matsuda T, Ioka A, Tsukuma H, Nakayama T; J-CANSIS Research Group. Long-term survival and conditional survival of cancer patients in Japan using population-based cancer registry data. Cancer Sci. 2014 Nov;105(11):1480-6.
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- Ito H, Matsuo K, Hamajima N, Okuma K, Saito T, Tajima K. Significant association of interleukin 8 -251T/A polymorphism with smoking behavior in a Japanese population. J Hum Genet. 2005;50(11):567-73.
- Ito H, Matsuo K, Hamajima N, Mitsudomi T, Sugiura T, Saito T, Yasue T, Lee KM, Kang D, Yoo KY, Sato S, Ueda R, Tajima K. Gene-environment interactions between the smoking habit and polymorphisms in the DNA repair genes, APE1 Asp148Glu and XRCC1 Arg399Gln, in Japanese lung cancer risk. Carcinogenesis. 2004 Aug;25(8):1395-401.
- Ito H, Hamajima N, Matsuo K, Okuma K, Sato S, Ueda R, Tajima K. Monoamine oxidase polymorphisms and smoking behaviour in Japanese. Pharmacogenetics. 2003 Feb;13(2):73-9.
- Ito H, Hamajima N, Takezaki T, Matsuo K, Tajima K, Hatooka S, Mitsudomi T, Suyama M, Sato S, Ueda R. A limited association of OGG1 Ser326Cys polymorphism for adenocarcinoma of the lung. J Epidemiol. 2002 May;12(3):258-65.
社会活動
その他、社会活動として、愛知県や名古屋市における、がんの知識の普及に協力しています。
がん教育
- 愛知県や名古屋市のがん教育用の教材「がんについて考えよう」、平成26年度名古屋市がんに関する学習補助教材策定委員 など
- 愛知県がん教育モデル講座の講師として、中学生にがんが発生するメカニズム、がん予防、検診、治療について講演を行っています(平成28年から) など
- 名古屋市、知多市教育員会でのがん教育セミナー(平成26年から)
愛知県や名古屋市ににおける働く世代のがん予防セミナー
- 愛知県:乳がん予防(平成28年度 ブラザー工業)、日本人のための5つのがん予防(平成29年度 豊田通商、平成30年度 デンソー)
愛知県ホームページ(企業との共催による「働く世代へのがん対策講演会」を開催しました。<株式会社デンソー編>)
- 名古屋市:働く世代のがん予防(平成29年度)
女性特有のがん講演会
- 愛知県:子宮頚がん予防について(平成29年度 愛知教育大学、令和元年度 名古屋文理大学)
名古屋文理大学ホームページ(「子宮頸がん大学連携セミナーを開催しました」)
リサーチレジデント募集
我々はがん予防研究分野と連携して、がんの記述疫学からがんの分析疫学を網羅した研究を展開しています。がん疫学に軸足を置きつつ、多領域とのコラボレーションにより、新たながん疫学を作っている自負があります。是非我々と研究を一緒にしましょう!