バイオバンク部門
概要
愛知県がんセンターを受診された患者さんの診療情報・臨床検体・疫学情報を、将来の医学研究に役立てるために蓄積しています。
愛知県がんセンターでは現在考えられる最高のがんの診断・治療を患者さんに提供できるよう努めています。さらに現在、診断・治療に苦慮するがんを対象に新しい診断、治療、予防技術の開発にも取り組んでいます。そのような医学の進歩と、今後のがん予防、画期的な診断法や治療法のための研究には、実際の患者さんから得られる試料・情報等の利用が極めて重要です。残念ながら、未だがんを完全に克服するには至らず、さらなる研究が必要な時代を迎えております。診療時に発生する生体試料や関連する診療情報をがん研究に利用することについて、皆さまの温かいご理解をお願いいたします。
連絡先
愛知県がんセンター研究所
バイオバンク部門 部門長
松尾 恵太郎(まつお けいたろう)
〒464-8681 名古屋市千種区鹿子殿1-1
Tel:052-762-6111(内線)7082
E-mail:cbba@aichi-cc.jp
研究内容 一般の方へ
バイオバンクとは?
バイオバンクとは、皆さまからご提供いただいた血液、組織など(これらを生体試料と呼びます)を治療や検査の記録など(これらを診療情報と呼びます)とあわせて保管・管理し、医学の研究に活用する仕組みのことです。ご提供いただいた生体試料と診療情報は、がんの予防・診断・治療にわたる多くの研究開発を支える貴重な資源となります。そして、その研究の成果は、未来のより良い医療につながることが期待されます。2017年、愛知県はキャンサーバイオバンク愛知を設立いたしました。
なぜバイオバンクが必要なの?
医学の進歩によって、以前は有効な治療法がなかった病気でも現在では適切な治療を行えば治る病気もあります。そのー方で、まだ有効な治療法が見つかっていない病気があることも現実です。そのため、いろいろな研究が国内外で行われています。これまでの研究の成果として、同じお薬を使った患者さんでもお薬の効果に違いがあること、副作用の違いがあることがわかってきました。その結果、より効果的で副作用の少ない治療を選択できるようになってきています。より良いがん治療を患者さんへ提供するためには、これからも多くの医学の研究が必要です。そして、がん医療に役立つ研究を行うためには、皆さまの生体試料や診療情報などを集め、保管・管理し、活用できる仕組みが必要なのです。
研究への利用例
現段階で考えられる研究としては、がんの発生や転移、がんに伴う様々な症状、種々の治療法の効き目や副作用の出方について、生活習慣等の環境因子のレベル、遺伝子のレベル、細胞や組織の形のレベル、血液や尿、糞便などに対する臨床検査のレベル、レントゲンや内視鏡、超音波などの画像のレベルなど、色々な角度から調べて病気との関係を明らかにし、新しい診断法や、治療法・予防法の開発のための研究が中心になると考えられます。この様な研究の多くは、研究で得られたデータと患者さんの情報とが結びつけられて初めて有意義な研究となります。バイオバンクから提供される生体試料や診療情報はこうした研究のために利用されることが期待されています。
研究内容 専門家の方へ
大学・民間企業での研究開発に(※準備中)
愛知県がんセンターでは、がんの個別化医療・予防の東海地区の拠点となり、県民・国民・人類の健康に貢献するために、キャンサーバイオバンク愛知を開設しました。生体試料や診療情報を体系的に保管・管理して、国内外の研究機関・企業とともに使えるようにし、より迅速に新たな個別化医療・予防を創造するための仕組みです。キャンサーバイオバンク愛知の趣旨をご理解いただき、医学・創薬研究への活用をご検討ください。
スタッフ紹介
生体試料や診療情報を体系的に保管・管理して、国内外の研究機関・企業とともに使えるようにし、より迅速に新たな個別化医療・予防を創造するための仕組みです。
疫学研究の手法を通じて、様々な分野と連携して、発がん原因の発見、発がんメカニズムの解明を通じて新たな予防法の開発につなげたいと思っています。