呼吸器外科部
令和5年7月改訂
概要
特色
当科の特徴は、全手術のおよそ85%程度の手術を低侵襲手術(従来式胸腔鏡、ロボット胸腔鏡)で実施しながら、同時に古典的開胸手術や拡大開胸手術まで幅広い術式を実施可能であること、また対象疾患では早期肺癌から局所進行肺癌、縦隔腫瘍、転移性肺腫瘍、胸部原発希少癌・肉腫や転移性胸部腫瘍など幅広い疾患に対応した外科治療を展開していることです。
術式の中心となる低侵襲胸腔鏡手術は開胸手術と視野の整合性を保つ「対面モニター式」胸腔鏡手術を2012年より実施してまいりました.また近年台頭しているロボット支援式胸部手術は2019年より実施しており、開胸・胸腔鏡手術と視野の整合性を保つ方法を確立して「愛知がん式ロボット手術」として全国的に知られています。一般的なロボット肺癌手術では皮切数が5個であることに対して、「愛知がん式」は皮切数が4個以下で、視野の良さと低侵襲性を追求したものです。
肺癌外科の展望からは、肺温存区域切除術、分子標的薬治療後・免疫薬剤治療後・化学放射線治療後など各種治療後の手術、サルベージ(手術以外に方法がない救済的)手術,再手術・残存肺葉切除術などが確実に増えてまいります。これらの手術は、これからの呼吸器腫瘍外科領域のメインテーマのひとつです。当科ではこれまでに肺尖部肺癌手術,サルコーマ(肉腫)センター胸郭軟部腫瘍手術,転移性胸部腫瘍サルベージ手術,特殊な縦隔悪性胚細胞腫瘍手術などの拡大手術も実施しており、胸腔鏡・ロボット低侵襲手術を主軸に多種の手術を実施しながら、腫瘍学的・体への負担・整容性など様々な観点から高質を目指した胸部腫瘍外科の砦として、地域の患者さんと先生方に貢献させていただけるよう研鑽を積んでまいります。
坂倉 範昭 部長
概要
- 2019年1月~2024年12月(最近6年間)の総手術症例数は2430例(約400例/年)、胸腔鏡手術75%、ロボット手術9%(低侵襲手術83%)、開胸手術17%。
- 胸腔鏡手術は、虎ノ門病院・がん研有明病院の流れを汲む4ポート対面倒立モニター式を基本術式とする。
- 胸腔鏡/ロボット手術の標準的な経過は、1~2日前入院、手術当日に夕食を摂取、当日または1日目にドレーン抜去、3~4日目(中央値で葉切・区切4日、部切3日)に退院。
- 新しく標準術式となりつつある肺区域切除を長年胸腔鏡で実施してきた。
- 開胸手術ではVMST法と呼ぶ垂直腋窩アプローチを伝統的に実施、またさらに進行した病態に対する拡大開胸手術など、病態・病期に合った手術を実施可能。
- 台頭するロボット手術は開始から6年経過。胸腔鏡手術や開胸手術と視野や手順の整合性を保つよう、腋窩ポート配置と対面モニターを応用した『対面モニター開胸視野式』ロボットアプローチを研究。胸腔鏡・開胸・ロボットの3術式で視野と手順を統一し整合性を持たせていることが特徴。一般的なロボット手術よりポート数が少なく(4ポート)低侵襲性を追求している。
- 小型病変の切除法として、インジゴカルミン・リピオドール・インドシアニングリーン局注による蛍光肺マーキングを工夫、肺血管構造の3次元画像と合わせて、精度の高い肺区域切除・部分切除を実施している。
- 局所進行肺がんの治療ではがん免疫療法であるニボルマブまたはペンブロリズマブ併用術前化学療法後の手術という新しい治療戦略を積極的に実臨床へ導入している。
- 当院のサルコーマ(肉腫)センター、薬物療法科に集約される特徴的な希少疾患(軟部肉腫や胚細胞性腫瘍)に対する特殊胸部手術を実施している。
- 心臓血管領域に関連する胸部腫瘍では、名古屋市立大学病院心臓血管外科、東部医療センター心臓血管外科と連携し合同手術を実施している。
- 研究所との共同研究における近年のトピックとしては特に、厚生労働省「全ゲノム解析等実行計画」に基づいて肺腫瘍組織を積極的に提供している。
愛知県がんセンター呼吸器外科手術の概要
愛知県がんセンター呼吸器外科手術の内訳
愛知県がんセンター呼吸器外科部 手術実績
連携医療機関へのひとこと
当科はまた、親しみやすく相談しやすい・連携しやすい胸部腫瘍外科センターを目指しており、「胸部腫瘍の相談窓口」としても役割を果たしたいと考えます。個々の患者さんからは、「手術をするかどうかはわからないけれども,まず話を聞いてみたい」、「ほかの施設で手術のお話が出ているが、がんセンターでも相談してみたい」、「手術がいいのか、抗がん剤がいいのか、放射線がいいのか、わからなくなっている」などなど、様々なご相談をいただきます。検診CTで発見される小型肺病変の対応は最も多いご相談のひとつで、すぐに治療・手術を必要とするのかどうかは専門家でも判断が難しく、患者さんには十分に納得いただけるような方針を考察させていただきます。
連携医療機関の先生方におかれましては、肺・縦隔・胸部腫瘍性疾患を疑う患者さんがおられましたら、レントゲン1枚などでも、遠慮なくご相談いただければ幸いです。外科治療前提かどうかに関係なく、気軽にご相談いただけましたら、必要な診療科への橋渡しを含めて最善の対応をさせていただきます。
愛知県がんセンター呼吸器外科部をどうぞよろしくお願い申し上げます。
診療内容
診療の特徴
1. 治療方針をカンファレンスで決定する
治療方針の決定
週1回呼吸器内科、呼吸器外科、放射線診断部、放射線治療部とともにカンファレンスを行い、組織型、病期、患者さんの生理的機能を考慮して、治療方針を決定しています。何が標準的とされる治療で、何が先進的な研究的治療なのかを十分明確に説明した上で、患者さんの同意を得て最終方針を決めています。
治療方法の概要
- 外科療法
手術でがんを切除する治療 - 放射線療法(放射線治療部)
(局所治療法の選択は、外科・放射線治療科両科で相談できます。)放射線をがんにあてて腫瘍細胞を死滅させる通常照射から、ピンポイント照射、気管支の内部からの照射など、病状によって照射方法は異なります。 - ラジオ派焼灼治療(放射線治療部)
がんに熱を加えることによって腫瘍細胞を破壊させる治療方法です。多発肺がんの場合、肺機能を考えて手術と併用する場合もあります。 - 化学療法(呼吸器内科部)
抗がん剤・分子標的薬・免疫などの薬剤で腫瘍の縮小をはかる治療です。 - 集学的治療
上記の治療を複数組み合わせた治療:例えば化学療法と手術や、化学療法と放射線治療を同時もしくは継続して行う治療など、各所臨床研究に協力しています。
肺がん・治療方針
非小細胞肺癌と小細胞肺癌で治療方針が異なります。
臨床病期(進行度) | 治療方針 |
---|---|
l | 手術単独、手術+化学療法 |
ll | 手術+化学療法 |
lll | 手術+化学療法 術前化学療法+手術 化学療法+放射線療法 |
Lv | 化学療法、分子標的治療、免疫チェックポイント阻害薬 |
再発症例 | 手術、化学療法、免疫チェックポイント阻害薬、放射線療法 組み合わせ |
基本的に非小細胞肺がんではI、Ii期およびIiia期の一部、小細胞肺がんではⅠ期を完全切除の適応としています。Iiia期のうち、切除可能な縦隔リンパ節単発転移症例(N2)は手術、多発の場合は症例によっては術前放射線化学療法の後に手術を行う等、集学的な治療を行っています。
2. 早期肺がん
早期肺がん・区域切除
2.0cm以下の小さな腫瘍については、肺葉のうち腫瘍から十分離れた部分は温存でき、区域切除や部分切除で肺がんの根治性を十分に保つことができる可能性が最近の研究で報告されています。
当院からもデータを発表いたしました。
早期肺がん・胸腔鏡下区域切除の実際
一般的には現在でも技術的困難さから区域切除は開胸手術で行うことが多いのですが、我々はこの縮小手術(区域切除)を完全胸腔鏡下手術で300以上の手術経験がございます。
2018年から単孔式区域切除(創部3.5cm)を導入しました。
早期肺がん・区域切除の治療成績
2013年からの当院で胸腔鏡区域切除後の治療成績です。
画像上当院のデータに照らし合わせて、区域切除でよいとカンファレンスで判断した3年生存率100%と良好です。
他臓器の肺がん転移や呼吸機能など区域切除しかできなかった患者さんでも3年80%の治療成績がございます。
転移性肺腫瘍・治療成績
他施設共同研究に積極的に参加しています。
- 転移性肺腫瘍研究会における多施設共同コホート研究
- Oxaliplatinが本邦に導入された後の大腸癌肺転移症例に対する肺転移切除の意義を検討する多施設後ろ向き臨床研究
(特定非営利活動法人(NPO)つくばがん臨床試験グループ(Tsukuba Cancer Clinical Trial Group: Tcctg))
3. 肺浸潤がん:標準的治療(肺葉切除+縦隔リンパ節郭清)、アプローチ(胸腔鏡手術やロボット手術)
胸腔鏡下肺葉切除+縦隔リンパ節郭清
進行肺がん(他臓器の合併切除や気管支形成術などが必要な場合)や病期Ⅰ期であっても画像上リンパ節や遠隔転移しやすいと予測されるものに対する手術は、開胸手術を基本としていましたが、胸腔鏡で施行しています。
そのような肺がんに対しては、完全切除と縦隔リンパ節の徹底した郭清(手術する側と反対側の気管支第一分岐部にあるリンパ節までの郭清+すべてのリンパ節を連続してつなげる郭清)を重視した治療方法を行っています。
縦隔リンパ節郭清の治療成績
縦隔リンパ節を積極的に廓清することによって、正確な病期診断を行うと同時に廓清したはずの縦隔リンパ節への局所再発を防ぎ、手術成績の向上を目指しています。
2009年~2013年がん研有明病院(同じ対面式)と当院の術前画像でリンパ節転移がないと判断した肺がん約600名の胸腔鏡下肺葉切除+縦隔リンパ節郭清の治療成績(5年生存率)です。経験と十分な郭清が治療成績につながる可能性が示唆されました。
ロボット支援手術
- 肺がんに対しても保険診療で治療を受けることができます。
- 当院では胸腔鏡と同じ視野のロボット支援手術を施行しています。
呼吸器外科領域におけるロボット支援下手術は2018年4月に保険収載されました。これを受けて当科では、ロボット手術を2019年より本格導入しており、2019年1月~10月には、肺腫瘍22例、縦隔腫瘍10例を行いました
他科との手術枠の関係で件数は微増ですが、肺葉切除+区域切除は、74%から85%と割合が増えています。
縦隔腫瘍(ロボット支援手術や単孔式胸腔鏡)
縦隔は、左右の肺に挟まれた空間で、心臓、大血管、気管気管支、食道、胸腺などの臓器が存在する場所を指します。
縦隔腫瘍の中で最も多いものは胸腺腫で、およそ40%を占めます。
神経原性腫瘍(約15%)、先天性嚢胞(約15%)、胚細胞性腫瘍(約10%)がこれに続きます。
4. 進行がん:治験の積極的な導入
治験
2021年4月現在、当科では3課題が登録可能な治験として稼働しています。
進行肺がんにおいては免疫治療の位置づけが大きくなってきております。
術前のニボルマブ治療の優れた効果が報告されたことは記憶に新しいと思いますが、近年周術期治療のオプションとして様々なPd-1/L1阻害薬の開発が進んでいます。
当院ではそういったPd-1/L1阻害薬の治験に積極的に取り組んでおり、治験を通じてがん治療の進歩に少しでも貢献できるよう尽力しております。
治験(術前化学療法)
- 抗Pd-1抗体(Nivolumab)+化学療法
早期Nsclc患者を対象にニボルマブ及びイピリムマブとプラチナダブレットによる化学療法を比較するランダム化オープンラベル第Iii相試験 Ca209816 - 抗Pd-1抗体(Pembrolizumab)+化学療法
Iib期またはIiia期の切除可能非小細胞肺癌に対する周術期療法としてMk-3475併用または非併用のプラチナ製剤併用化学療法を比較する試験(Keynote671)
治験(術後補助化学療法)
- 術後補助化学療法後のIl-1β阻害薬による地固め治療
Ajcc/Uicc第8版ステージIi-Iia及びIiib(最大腫瘍径5cm超、リンパ節転移N2)非小細胞肺がんの完全切除(R0)を受けた成人患者を対象に術後補助化学療法としてカナキヌマブの投与をフラセボと比較し有効性及び安全性を検討する第Iii相、他施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験
5. 早期離床・早期退院
早期離床
2005年に発表されたEras(Enヘクタールnced Recovery After Surgery)の結腸がんに対する術後回復促進プログラムが、様々ながんに対する包括的プロトコールとして応用されることによって、手術における安全性向上、術後合併症の軽減、早期回復、術後在院日数の短縮、コスト低減に貢献してきました。
2013年から胸腔鏡手術の独自の術後回復プログラムを看護部と協力して作成し、改良を重ねた結果、2017年は術後入院期間は平均3月6日と短縮し、2018~2019年は術後平均2月8日で退院となっています。
6. がん遺伝子検索・Pd-L1測定・新しい抗原の探索(研究)
遺伝子検査と免疫チェックポイントの測定
遺伝子病理診断部:術後治療や再発後治療を早くに開始できるように手術標本から遺伝子とPdl-1発現を全例測定しています。
新しいがん抗原の探索
特に局所進行がんや再発がんに対し、治験だけでなく、研究所(腫瘍免疫制御トランスレーショナルリサーチ分野)と共同で、腫瘍細胞の遺伝子変異の結果に伴う新生抗原(ネオアンチゲン)を可能な限り探索しています。元来体内にない抗原であり、抗原性が高いと考えられ今後の治療への可能性を研究しています。
肺がん・治療成績
さらなる成績向上のために以下の工夫をしています。
- 画像診断の進歩による早期症例の増加と手術不適応症例の排除
- リンパ節郭清の徹底による正確なステージング
- 手術の安全性の向上による手術関連死亡の減少
- 手術標本から遺伝子検査と免疫チェックポイント受容体の測定
1991年からの当院で手術後の治療成績で、1991年以降、五年生存率はI期で72→79→88%、他の病気でも同様の予後の改善が認められます。
スタッフ紹介
日本呼吸器外科学会 専門医・評議員
日本胸部外科学会 評議員
日本肺癌学会 評議員
日本ロボット外科学会 専門医・呼吸器領域ロボット手術プロクター(指導医)ライセンス取得者
胸腔鏡安全技術認定医
がん治療認定医機構がん治療認定医
臨床研修指導医
緩和ケア研修会 修了
日本呼吸器外科学会 専門医
Intuitive Surgical社 da Vinci術者認定資格
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
肺がんCT検診認定機構 肺がんCT検診認定医
胸腔鏡安全技術認定医
緩和ケア研修会 修了
臨床研修指導医
呼吸器外科学会 専門医
胸腔鏡安全技術認定医
da Vinci術者認定資格
緩和ケア研修会 修了
日本乳がん検診精度管理中央機構 検診マンモグラフィ読影認定医
緩和ケア研修会 修了
外来診療担当医
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|
則竹 | 松井 | 坂倉 | 岩清水・坂倉 | 瀬戸 |
患者さんへのメッセージ
診療実績
2020年の手術件数は455例、原発性肺癌手術例は325例です。コロナ禍で手術枠の制限があり調整した影響が件数減少に現れています。
幸いにも、昨年も手術関連死亡例はありませんでした。肺の悪性腫瘍において、手術数(特に胸腔鏡手術多孔/単孔+ロボット支援手術)は東海地区でも際立っているのみならず、その質も日本トップレベルにあると自負していますが、決して慢心することなく、さらなるレベルアップに努めて参ります。
研究実績
2025年1月改訂
近年の論文業績(共著含む)
2024
- Mitsudomi T, Ito H, Okada M, Sugawara S, Shio Y, Tomii K, Okami J, Sakakura N, Kubota K, Takamochi K, Atagi S, Tsuboi M, Oizumi S, Ikeda N, Ohde Y, Ntambwe I, Mahmood J, Cai J, Tanaka F. Neoadjuvant nivolumab plus chemotherapy in resectable non-small-cell lung cancer in Japanese patients from CheckMate 816. Cancer Sci, 115(2):540-554, 2024.
- Ikeda S, Tsuboi M, Sakai K, Misumi T, Akamatsu H, Shoda H, Sakakura N, Nakamura A, Ohde Y, Hayashi H, Okishio K, Okada M, Yoshino I, Okami J, Takahashi K, Ikeda N, Tanahashi M, Tambo Y, Saito H, Toyooka S, Inokawa H, Chen-Yoshikawa T, Yokoyama T, Okamoto T, Yanagitani N, Oki M, Takahama M, Sawa K, Tada H, Nakagawa K, Mitsudomi T, Nishio K. NOTCH1 and CREBBP co-mutations negatively affect the benefit of adjuvant therapy in completely resected EGFR-mutated NSCLC: translational research of phase III IMPACT study. Mol Oncol, 18(2):305-316, 2024.
- Sato J, Yanagawa M, Nishigaki D, Hata A, Sakao Y, Sakakura N, Yatabe Y, Shintani Y, Kido S, Tomiyama N. Radiologists Versus AI-Based Software: Predicting Lymph Node Metastasis and Prognosis in Lung Adenocarcinoma From CT Under Various Image Display Conditions. Clin Lung Cancer, 7:S1525-7304(24)00232-8, 2024.
- Kawaguchi K, Ogura T, Kaneda S, Watanabe T, Soh J, Hashimoto K, Sakakura N, Okazaki M, Mori S, Hashimoto M, Fukumoto K, Miyajima M, Yoshida S, Moriyama S, Tamaru S, Takao M. A prospective multi-institutional study to verify the non-inferiority of postoperative pain in robot-assisted thoracic surgery in comparison with video-assisted thoracoscopic surgery for lung cancer: The Japanese RATS interest group 01 (J-RATSIG 01). Lung Cancer, 196:107961, 2024.
- Miyoshi T, Aokage K, Watanabe SI, Ito H, Sakakura N, Mun M, Yamashita M, Ohde Y, Aoki T, Nishio W, Taguri M, Tsuboi M. The effect of epidermal growth factor receptor mutation on adjuvant chemotherapy with tegafur/uracil for patients with completely resected, non-lymph node metastatic non-small cell lung cancer (> 2 cm): a multicenter, retrospective, observational study as exploratory analysis of the CSPOR-LC03 study. Jpn J Clin Oncol, 2;54(11):1185-1193, 2024.
- Nohira S, Kuramitsu S, Ohno M, Fujita M, Yamashita K, Nagasaka T, Haimoto S, Sakakura N, Matsushita H, Saito R. Tertiary Lymphoid Structures in Brain Metastases of Lung Cancer: Prognostic Significance and Correlation With Clinical Outcomes. Anticancer Res, 44(8):3615-3621, 2024.
- Matsui T, Takahashi Y, Nakada T, Sugita Y, Seto K, Sakakura N, Mizuno K, Haneda H, Okuda K, Kuroda H. Impact of intrapulmonary tumour location of non-small-cell lung cancer on surgical outcomes for segmentectomy. Eur J Cardiothorac Surg, 1;65(3):ezae036, 2024.
2023
- Sakakura N, Eguchi T. Port placement variations for the robotic lung resection: focusing on their history, conventional look-up-view and horizontal open-thoracotomy-view techniques, and more. J Pers Med, 13:230, 2023.
- Matsui T, Takahashi Y, Nakada T, Sugita Y, Shinohara S, Suzuki A, Sakakura N, TakanoT ,Chiba K, Nakamura R, Oda R, Tatematsu T, Yokota K, Mizuno K, Haneda H, Okuda K, Kuroda H. Thoracoscopic Anatomical Sublobar Resection Including Subsegmentectomy for Non-Small Cell Lung Cancer. World J Surg, 47:2065-2075, 2023.
- Nakai A, Nakada J, Takahashi Y, Sakakura N, Masago K, Okamoto S, Kuroda H. Divided method of intercostal nerve block reduces ropivacaine dose by half in thoracoscopic pulmonary resection while maintaining the postoperative pain score and 4-h mobilization: a retrospective study. J Anesth, 37(5):749-754. 2023.
2022
- Sakakura N, Nakada T, Takahashi Y, Suzuki A, Shinohara S, Kuroda, H. Three-arm robotic lung resection via the open-thoracotomy-view approach using vertical port placement and confronting monitor setting: Focusing on segmentectomy. J Pers Med, 12:1771, 2022.
- Sakakura N, Shirai S, Nakada T, Takahashi Y, Kuroda H. Resection of an anterior apical tumor invading the ventral first rib: a less invasive lateral thoracotomy approach. J Thorac Dis, 14:1296-1298, 2022.
- Sakakura N, Nakada T, Shirai S, Takahara H, Suzuki A, Takahashi Y, Kuroda H. Emergency rollout and conversion procedures during the three-arm robotic open-thoracotomy-view approach. Interact Cardiovasc Thorac Surg, 34:1045-1051, 2022.
- Kuroda H, Koyama S, Mun M, Nakajima J, Funai K, Yoshino I, Yamauchi Y, Kawamura M; Metastatic Lung Tumor Study Group of Japan.:Survival Outcomes of Complete Pulmonary Metastasectomy for Head and Neck Squamous Cell Carcinomas.Cancer Manag Res, 26;14:3095-3103, 2022.
- Nakada T, Takahashi Y, Sakakura N, Masago K, Iwata H, Ohtsuka T, Kuroda H. Postoperative surveillance using low-dose computed tomography for non-small cell lung cancer. Eur J Cardiothorac Surg, 2;63, zac549, 2022.
- Nakada T, Nakai A, Takahashi Y, Sakakura N, Ohtsuka T, Kuroda H. Intraoperative Multimodal Approach for Pain After Thoracoscopic Pulmonary Resection. Asian J Endosc Surg, 15:147-154, 2022.
- Masago K, Kuroda H, Takahashi Y, Oya Y, Sasaki E, Sakakura N, Matsushita H. Synchronous driver gene alterations (EGFR L858R, T790M, and ROS1) rearrangements in a patient with early-stage lung adenocarcinoma. Cancer Genet, 268-269:124-127, 2022.
- Matsui T, Takahashi Y, Nakada T, Sakakura N, Hasegawa T, Sato Y, Inaba Y, Haneda H, Okuda K, Nakanishi R, Kuroda H. Preoperative percutaneous needle indigo carmine and lipiodol mixture marking in lung segmentectomy. Eur J Cardiothorac Surg, 62:ezac432, 2022.
- Seto K, Shimizu J, Masago K, Araki M, Katayama R, Sagae Y, Fujita S, Horio Y, Sasaki E, Kuroda H, Okubo K, Okuno Y, Hida T. Sensitivity to dabrafenib and trametinib treatments in patients with non-small-cell cancer harboring BRAF compound mutations: A pooled analysis of BRAF p. V600E-positive advanced non-small-cell lung cancer. Cancer Genet, 266-267:1-6, 2022.
- Shinohara S, Takahashi Y, Komuro H, Matsui T, Sugita Y, Demachi-Okamura A, Muraoka D, Takahara H, Nakada T, Sakakura N, Masago K, Miyai M, Nishida R, Shomura S, Shigematsu Y, Hatooka S, Sasano H, Watanabe F, Adachi K, Fujinaga K, Kaneda S, Takao M, Ohtsuka T, Yamaguchi R, Kuroda H, Matsushita H. New evaluation of the tumor immune microenvironment of non-small cell lung cancer and its association with prognosis. J Immunother Cancer, 10:e003765, 2022.
- Shinohara S, Takahashi Y, Masago K, Matsushita H, Kuroda H. The beginning of a new era in induction treatment for operable non-small cell lung cancer: a narrative review. J Thorac Dis, 28;15:747-758, 2023.
- Tada H, Mitsudomi T, Misumi T, Sugio K, Tsuboi M, Okamoto I, Iwamoto Y, Sakakura N, Sugawara S, Atagi S, Takahashi T, Hayashi H, Okada M, Inokawa H, Yoshioka H, Takahashi K, Higashiyama M, Yoshino I, Nakagawa K. West Japan Oncology Group. Randomized Phase III Study of Gefitinib Versus Cisplatin Plus Vinorelbine for Patients with Resected Stage II-IIIA Non-Small-Cell Lung Cancer with EGFR Mutation (IMPACT). J Clin Oncol, 40:231-241, 2022.
2021
- Kuroda H, Sugita Y, Masago K, Takahashi Y, Nakada T, Sasaki E, Sakakura N, Yamaguchi R, Matsushita H, Hida T. Clinical Guideline-Guided Outcome Consistency for Surgically Resected Stage III Non-Small Cell Lung Cancer: A Retrospective Study. Cancers (Basel), 21;13:2531, 2021.
- Kuroda H, Ichinose J, Masago K, Takahashi Y, Nakada T, Nakao M, Okumura S, Hashimoto K, Matsuura Y, Sakakura N, Matsushita H, Mun M. Permissible Outcomes of Lobe-Specific Lymph Node Dissection for Elevated Carcinoembryonic Antigen in Non-Small Cell Lung Cancer. Medicina (Kaunas), 14;57:1365, 2021.
- Kuroda H, Sakata S, Takahashi Y, Nakada T, Oya Y, Sugita Y, Sakakura N, Matushita H, Sakao Y. Subsegmental resection preserves regional pulmonary function: A focus on thoracoscopy. Thorac Cancer., 12:1033-1040, 2021.
- Kuroda H, Masago K, Takahashi Y, Fujita S, Sasaki E, Nakada T, Sakakura N, Nakanishi H, Matsushita H, Yatabe Y. Positive Correlation Between the Number of Circulating Tumor Cells in the Pulmonary Vein and Tumor Spread Through Air Spaces in Resected Non-small Cell Lung Cancer. Anticancer Res, 41:5499-5505, 2021.
- Kuroda H, Takahashi Y, Shirai S, Takahara H, Nakada T, Sakakura N, Matsushita H. Survival benefit of immune checkpoint inhibitor monotherapy in patients with non-small cell lung cancer recurrence after completely pulmonary resection. Ann Transl Med, 9:1225, 2021.
- Sakakura N, Nakada T, Shirai S, Takahara H, Nakanishi K, Matsui T, Ueno H, Takahashi Y, Kuroda H. Robotic open-thoracotomy-view approach using vertical port placement and confronting monitor setting. Interact Cardiovasc Thorac Surg, 28;33:60-67, 2021.
- Sakakura N, Mori M, Tsukushi S, Nakada T, Takahashi Y, Kuroda H. Salvage cytoreductive surgery for pleural dissemination of low-grade endometrial stromal sarcoma using rib-cross thoracotomy with argon beam coagulation: strategies to achieve a grossly complete resection—a case report. AME Surgical Journal, 1:8, 2021.
- Sakakura N, Nakada T, Takahashi Y, Kuroda H. An extended modification of transmanubrial osteomuscular sparing approach: salvage resection for recurrent superior sulcus lung cancer after definitive chemoradiotherapy. J Thorac Dis, 13:417-419, 2021.
- Sakakura N, Nakai A, Suda H, Nakada T, Matsui T, Nakanishi K, Shirai S, Nakada J, Horio Y, Oya Y, Takahashi Y, Kuroda H. Life-threatening massive bleeding in the pulmonary trunk adjacent to the right ventricular outflow tract during the resection of a large mediastinal germ cell tumor: proposed safety measures in the absence of cardiovascular surgeons: a case report. Mediastinum, 25:19, 2021.
- Shigenobu T, Takahashi Y, Masugi Y, Hanawa R, Matsushita H, Tajima A, Kuroda H. Micropapillary Predominance Is a Risk Factor for Brain Metastasis in Resected Lung Adenocarcinoma. Clin Lung Cancer, 22: e820-e828, 2021.
- Nakada T, Takahashi Y, Sakakura N, Iwata H, Ohtsuka T, Kuroda H. Prognostic Radiological Tools for Clinical Stage IA Pure Solid Lung Cancer. Curr Oncol, 30;28(5):3846-3856, 2021.
- Nakada T, Kuroda H. Narrative review of optimal prognostic radiological tools using computed tomography for T1N0-staged non-small cell lung cancer. J Thorac Dis, 13(5):3171-3181, 2021.
- Nakada T, Shirai S, Oya Y, Takahashi Y, Sakakura N, Ohtsuka T, Kuroda H. The impact of same-day chest drain removal on pulmonary function after thoracoscopic lobectomy. Gen Thorac Cardiovasc Surg, 69(4):690-696, 2021.
- Nakada T, Nakai A, Takahashi Y, Sakakura N, Ohtsuka T, Kuroda H.:Intraoperative Multimodal Approach for Pain After Thoracoscopic Pulmonary Resection. Asian J Endosc Surg,15(1):147-154, 2022.
- Matsui T, Sakakura N, Koyama S, Nakanishi K, Sasaki E, Kato S, Hosoda W, Murakami Y, Kuroda H, Yatabe Y. Comparison of Surgical Outcomes Between Invasive Mucinous and Non-Mucinous Lung Adenocarcinoma. Ann Thorac Surg, 112(4):1118-1126, 2021.
- Matsui T, Takahashi Y, Shirai S, Nakanishi K, Nakada T, Sakakura N, Haneda H, Okuda K, Nakanishi R, Kuroda H. Comparison of surgical outcomes between thoracoscopic anatomical sublobar resection including and excluding subsegmentectomy. Gen Thorac Cardiovasc Surg, 69(5):850-858, 2021.
- Sugita Y, Kuroda H, Masago K. Surgical perception of lower tracheal or carinal resection. Transl Lung Cancer Res, 10(11):4310-4312, 2021.
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