希少がん・原発不明がん
希少がんとは、国内では、年間の罹患率が人口10万人年あたり6例未満の悪性の腫瘍と定義されています。これらの希少がんには、骨や筋肉などから発生する肉腫が含まれています。これらの肉腫は、体の様々な部位より発生するため、発生部位によって、整形外科、消化器内科・外科、婦人科、頭頸科などの様々な診療科で診療が行われています。このため、患者さんにとって、どの診療科に受診したら良いのか判断できないことが多いです。愛知県がんセンターでは、肉腫の患者さんが受診しやすいように2016年10月より、サルコーマセンターを開設し、整形外科と薬物療法部が中心となり、遺伝子病理診断部、消化器外科、泌尿器科、婦人科、放射線診断部、放射線治療部と連携し、肉腫の診療にあたっています。 肉腫以外の希少がんについても薬物療法部が中心となり診療を行っています。
原発不明がんとは、どこかの臓器(原発巣)から発生した転移したがんが見つかり、全身に対する検査を十分に行ったり、経過を診ても原発巣がわからない病気を原発不明がんと呼んでいます。原発不明がんは、成人のがんの100名中、約3名を占めています。原発巣が見つからないため、病状説明や治療について、担当医と患者さん、双方に不安を与えやすいという特徴を持っています。薬物療法部では、2006年1月の設置当時より、原発不明がんの診療に取り組んで来ました。一方、整形外科部は2017年7月に骨転移診療チームを立ち上げ、骨転移を初期症状として受診される原発不明がんの患者さんの原発巣検索と運動器ケアを行っています。
希少がん・原発不明がんの部門では、患者さんに安心して治療を受けて頂けるように整形外科部、および薬物療法部が中心となり、他の診療科と適切な連携体制をとり、診療を行っています。