診療科・部門

皮膚科

概要

皮膚科は現外来棟竣工に伴って1994年4月新設された4診療科の1つです。2001年4月から2015年10月の森真弓実先生の着任まで、代務医師による診療が長く続きました。がん患者さんの種々の皮膚疾患にも対応しており、名古屋大学医学部皮膚科とも連携しています。現時点では皮膚科部長不在で、補う形で外来部長が監督管理しています。

診療内容

名古屋大学医学部皮膚科とも連携しながら皮膚腫瘍や他科入院患者さんと化学療法を受ける患者さんの種々の皮膚疾患に対応しています。

がんセンターの皮膚科を初めて受診される患者さんは皮膚がんではないかと悩んでいる方が多く、入院患者さんの診察は、主に皮疹がある場合に主科からの依頼を受けて診察を行うことが多いです。がん治療中におこる不快な皮膚症状、長期入院中の皮膚のトラブルなどもあります。

皮疹

莫大な情報量をもった皮疹を簡潔に記載できることが皮膚病診断の第一歩です。皮疹(exanthema)と粘膜疹(enanthema)を総称して発疹(eruption)といい、平坦な病変の「斑」および隆起性病変の「丘疹/結節/腫瘤」が基本で、さらに亜型としての「水疱/膿疱」、その他のびらん/潰瘍/亀裂/鱗屑/痴皮/硬化/萎縮などに分けられます。

皮膚がん(上皮性悪性腫瘍)の診断と治療

肺がんや胃がんなど体の奥の方にできるがんと違って、皮膚の異常はがんに限らず目に見え、手で触ることができます。反面、なまじ見えるため心配の種になったり、手が届くのでイジリまわせたりできるという二つの問題があます。体の奥の方にできたがんに比較すれば、皮膚のがんは早期に発見できるはずですが、ホクロや湿疹だと思っていたら、実はがんだったという例もあります。それ故、皮膚に何かできたら、突いたり削ったり切り込んだりせずに、面倒でも一度は皮膚科医に診察してもらうことが重要と考えます。それが、ホクロのがんに対する鉄則です。一方、生じた皮疹を自分勝手にもう手遅れのがんに違いないと決め込んで、何日も何週間も悩み続けたあげくに皮膚科に受診し、悪性ではなかった例もあります。むしろ、「思い過ごし」のほうがはるかに多いのが実情です。不安な皮膚の病変は悩まないで早急に皮膚科医に相談したり、納得できなければ他の皮膚科医にセカンドオピニオンを求めたりすることで解決されるでしょう。

検査法・治療法

皮膚疾患の診断には、皮疹名以外に、発生部位、形、大きさ、色調、境界、表面の性状可動性、分布、自覚症状なども重要で、他の症状も合わせて多くは診断されます。その他、真菌の有無の観察のため顕微鏡検査や皮膚がんの診断のために組織診断(パンチ生検など)が必要なこともあります。皮膚がんの診断と治療の詳細は、日本皮膚悪性腫瘍学会が作成した皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン(皮膚悪性腫瘍ガイドライン(公開終了))を、さらに放射線治療に関して、詳しい情報は放射線治療計画ガイドライン・2004ホームページ(http://web.sapmed.ac.jp/radiol/guideline/(リンク切れ))を参照して下さい。湿疹と紛らわしい病変(日光角化症・ボーエン病・皮膚リンパ腫・パージェット病)は、皮膚科医以外では診断することが困難で、数多くの病変を経験・診断した目で判断し、必要があれば皮膚生検を行うことにより診断を確定します。

皮膚がんの詳細に関しては上記のインターネットサイト以外に愛知県がんセンターホームページのがんの知識の中の「いろいろながん」の中の皮膚がんを参照して下さい。

スタッフ紹介

堀尾 芳嗣(呼吸器内科部) (ほりお よしつぐ)
役職
外来部部長
専門分野
肺癌を含む胸部悪性腫瘍の診断・治療、臨床腫瘍学
学会・資格
日本内科学会 総合内科専門医・指導医・認定内科医
日本臨床腫瘍学会 指導医・がん薬物療法専門医・評議員
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・呼吸器指導医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医・気管支鏡指導医
日本肺癌学会 評議員
日本医師会 認定産業医
日本癌学会会員
酒井 良樹 (さかい よしき)
役職
皮膚科代務医師
専門分野
皮膚科一般

外来診療担当医

-太田本田磯部 -

診療実績

外来診療が中心ですが、皮膚腫瘍については名古屋大学医学部皮膚科とも連携しています。