診療科・部門

医療機器管理室

概要 

医療機器管理室は、室長1名、臨床工学技士7名、事務職員1名で構成されています。 

臨床工学技士は、医療機器のスペシャリストとして、院内で使用されている医療機器の安全確保と有効性の維持、使用者への研修などを行っています。また、人工呼吸器や補助循環装置、透析装置といった生命維持管理装置や内視鏡システム、ロボット支援手術装置などその他医療機器の準備や操作などを医師からの指示により医師・看護師などと医療チームの一員として行っています。 

医療機器管理室では、年々高度化している医療機器を安心・安全に使用でき、患者さんへ質の高い医療を提供できるよう日々研鑽しております。 

当院では以下の業務を行っています。 

  • 院内で使用される医療機器の管理 
  • 中央管理機器の保守点検、購入、廃棄など、機器ライフサイクルの管理 
  • 集中治療室・病棟・手術室・内視鏡室等での臨床支援業務 
  • 医療機器に関する研修の実施 
  • 医療機器の安全使用のための情報収集や職員への支援・助言 
  • 学会、関係団体等における発表などの情報発信 

業務内容 

医療機器管理業務 

医療機器管理室で管理している医療機器についてME機器管理システム「Meister」にて機器ごとに台帳を作成し、購入から廃棄まで管理することで、管理業務の効率化や情報の集約を図っています。 

特に輸液ポンプ、シリンジポンプ等病院内で多用される機器(9種類)については中央管理機器として、医療機器管理室において貸出返却、清掃、点検、修理などを行い効率的な運用を行っています。 

中央貸出機器以外の医療機器に関しても必要に応じて保守点検、修理、機器ラウンドなどを実施しています。保守点検や修理を実施するため、電気安全解析装置やポンプテスタなどの各種解析装置やテスターを導入しています。 

このほかにも医療機器の安全使用などを周知するための使用者に対する研修や情報収集を行っています。 

これらの取り組みにより、安心・安全かつ良質な医療を提供できるよう努めております。 

集中治療業務 

集中治療業務では、集中治療室で使用される人工呼吸器や血液浄化装置などの保守管理や操作を行っています。これらの機器は、患者さんの生命維持に欠かせない医療機器であるため、適切に使用できるよう、医師、看護師などの多職種と協力して治療に介入し、呼吸ケアチーム(RST)やRapid Response System (RRS)などにも参加しています。 

その他、腹水濾過濃縮再静注法(CART)や輸血部と協働して造血幹細胞採取などのアフェレーシス業務も行っています。 

手術室業務 

手術室では、高度で多種多様な機器を使用して手術を行っています。医療機器の不調により手術が滞ることがないようにするため、保守点検や修理、手術中ラウンドなどを行っています。また、医療機器を安全に使用するため、医師や看護師に対する研修会なども行っています。 

臨床支援業務にも積極的に介入し、以下の業務を行っています。 

  • 手術支援ロボット業務 
  • 手術ナビゲーション業務 
  • 術中神経モニタリング業務 
  • 頭頸部アルミノックス治療業務 
  • 補助循環業務 
  • 清潔補助業務 
  • その他、医療機器の操作支援など 

内視鏡室業務 

内視鏡室では、デバイスなどの物品管理業務、ビデオシステムや光源装置、ビデオスコープ等の機器管理業務、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)などの内視鏡治療における周辺機器の設定やデバイスの準備、使用中のデバイスの受け渡し、清掃といった臨床業務を行っています。これらの業務により、内視鏡室における医療機器の安全性や質の向上を図っています。 

業務実績(令和2年~5年度) 

業務内容 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 
手術支援ロボット業務 190  194  223  244  
手術ナビゲーション業務 87  89  80  86  
手術室ラウンド 454  436  356  461  
人工呼吸器業務(点検ラウンド) 216  137  242  305  
ECMO業務(スタンバイも含む) 5  6  8  6  
血液浄化業務(CART・PBSCHなど) 83  131  111  116  
内視鏡室機器点検 161  89  78  77  
内視鏡介助業務     153  133  
医療機器日常・定期点検 41803  40142  42585  45574  
医療機器院内修理 773  733  717  632  

各種認定 

高度な知識・技術の習得、チーム医療への貢献のため、認定資格の習得も積極的に取組んでおり、以下の資格を取得したスタッフが在籍しています。 

医療機器管理 

  • 認定医療機器管理臨床工学技士 
  • 医療機器情報コミュニケータ 

集中治療室 

  • 認定集中治療関連臨床工学技士 
  • 呼吸療法認定士 
  • 透析技術認定士 

手術室 

  • 手術関連専門臨床工学技士 
  • 周術期管理チーム臨床工学技士 
  • daVinciコーディネーター 

内視鏡室 

  • 消化器内視鏡認定技士 
  • 小腸カプセル内視鏡読影支援技士 

業績 

2020年度 

  • ダヴィンチXiに起こりえた事象の検討:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 篠田 悟:第30回日本臨床工学会(2020年9月) 

2021年度 

  • 手術室臨床工学技士業務を開始して:愛知県がんセンター 医療安全管理 部 医療機器管理室 八瀬文克;第31回日本臨床工学会(2021年5月) 
  • 当院におけるロボット補助下手術業務の取り組み:愛知県がんセンター  医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克;第31回日本臨床工学会 (2021年5月) 
  • がん専門病院におけるExtra Corporeal Membrane Oxygenationの現状と課題:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 篠田 悟;第46回日本体外循環技術医学会大会(2021年10月) 

2022年度 

  • 当院におけるロボット補助下手術業務のさらなる取り組み:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克;第32回日本臨床工学会(2022年5月) 
  • 当院における手術ナビゲーションシステムの取り組み:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克;第17回愛知県臨床工学技士会学術大会(2022年6月) 
  • 腹水濾過濃縮再静注法に対する当院の取り組み-より安全な運用の確立をめざして-:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 篠田 悟;第22回中部臨床工学会(2022年10月) 

2023年度 

  • 当院の内視鏡業務における臨床工学技士の関わり方について:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 村山 陸;第18回愛知県臨床工学技士会学術大会(2023年6月) 
  • ビデオコネクタ破損を検討して;愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克:第98回日本医療機器学会大会(2023年6月) 
  • 当院で頭頚部アルミノックス治療における手術ナビゲーションシステムの使用経験:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克;第33回日本臨床工学会(2023年7月) 
  • 血性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法の検討;愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 篠田 悟;第23回中部臨床工学会(2023年10月) 
  • 術中出血を契機としたロボット補助下手術での業務改善の取り組み:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克:第16回日本ロボット外科学会学術集会(2024年2月) 

2024年度 

  • 頭頸部アルミノックス治療における当院CEの関わり:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克;第34回日本臨床工学会(2024年5月) 
  • 当院における末梢血幹細胞採取の事例検討:愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 篠田 悟;第34回日本臨床工学会(2024年5月) 
  • バイポーラ鑷子の破損に起因するウォッシャーディスインフェクター洗浄の検討;愛知県がんセンター 医療安全管理部 医療機器管理室 八瀬文克:第99回日本医療機器学会大会(2024年6月)