診療科・部門

血液・細胞療法部

令和6年1月改訂

概要

血液・細胞療法部では、造血器の悪性腫瘍の患者さんに、安全で安心なより良い診療を提供することを目標としています。主に全身化学療法(抗がん剤治療)となりますが、局所放射線照射療法や分子標的治療、造血幹細胞移植療法などの組み合わせも提案いたします。患者さんの意向を尊重し、ご自身やご家族などに十分な説明をさせていただいた上で、医療に関する科学的根拠(エビデンス)に基づいた診療を行います。

治験・臨床試験は、新しいエビデンスを創るために必須のプロセスであるとともに、最良の治療選択肢の一つであると考えており、これらへの参加を積極的におすすめしています。また、治験・臨床試験以外での治療を選択する場合も、最新のエビデンスに基づき、チームカンファレンスをおこなったうえで、患者さん一人一人の状態に合わせて、治療方針をきめ細かく組み立てて実施いたします。

楠本 茂 部長

診療内容

  • 悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患といった各種造血器の悪性腫瘍を対象としています。
  • これらの造血器腫瘍に対し、全身化学療法や局所放射線照射療法、分子標的療法(チロシンキナーゼ阻害剤や抗体療法など)、造血幹細胞移植療法などの複数の治療方法を検討いたします。
  • 造血器腫瘍のタイプと患者さんの状態を考慮し、適切と判断されれば、強力な抗腫瘍効果を期待して、大量化学療法を併用した自家末梢血幹細胞移植療法、もしくは、同種免疫による移植片対腫瘍効果を期待して、同種造血幹細胞移植を提案いたします。
  • 血液・細胞療法部は、自家末梢血幹細胞移植療法の豊富な経験を有する他、同種造血幹細胞移植療法についても、幅広く対応可能です。非血縁者間造血幹細胞移植については、日本骨髄バンク(骨髄移植推進財団)の非血縁者間骨髄移植認定診療科であり、また、日本さい帯血バンクの登録移植医療機関です。非血縁者間骨髄採取認定施設として、バンクドナーからの骨髄採取も担当いたします。
  • 状況に応じて、当院他科受診中の患者さんに合併した血液疾患のコンサルテーションを受け付けています。

スタッフ紹介

楠本 茂 (くすもと しげる)
役職
血液・細胞療法部部長
学会・資格
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本血液学会 認定血液専門医・指導医
日本造血・免疫細胞療法学会 認定医
日本輸血・細胞治療学会 認定医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医
細胞治療認定管理師
齋藤 統子 (さいとう とうこ)
役職
血液・細胞療法部医長
学会・資格
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本血液学会 認定血液専門医
萩原 真也 (はぎわら しんや)
役職
血液・細胞療法部医長
学会・資格
日本内科学会 認定内科医
日本血液学会 認定血液専門医
川口 裕佳 (かわぐち ゆうか)
専門分野
血液・細胞療法部医長
学会・資格
日本内科学会 認定内科医
日本血液学会 認定血液専門医

外来診療担当医

川口(初診・再診)
萩原(再診)
楠本(初診・再診)
山本(初診・再診)
鏡味(初診・隔週再診)
大野(SO)
森島(SO)
川口(再診)
齋藤(初診・再診)
大野(SO)
森島(SO)
楠本(初診・再診)
齋藤(再診)
大野(SO)
楠本(再診)
萩原(初診・再診)

造血器腫瘍の診断のついた方、もしくは造血器腫瘍の疑いのある方を対象とした診療を行います。

月曜日~金曜日の午前、専門外来を開いています。予約を取ることをおすすめいたします。病診連携室にご連絡ください。初診時には、診断やその疑いについての病歴が記載された紹介状が必須です。紹介状と共に、関連する検査所見、病理検体、画像をお持ちください。

月曜日~金曜日の午後、セカンドオピニオン外来を開いています。予約が必要ですので、現在の主治医の先生を通して病診連携室から予約を取ってください。この場合も、紹介状(診療情報提供書)が必要です。必要に応じ、画像をお持ちください。なお、セカンドオピニオン外来では原則として病理検体の再レビューは行いません。

患者さんへのメッセージ

楠本 茂
私たち血液・細胞療法部では、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの血液がんのエキスパートとして、「より安全な」「より確実な」「より良い」診断、治療を行うことを目標に、多くの部門と連携しながらチーム医療に取り組んでいます。

当院では、従来の抗がん剤治療に加えて、造血幹細胞移植療法、分子標的治療薬まで幅広く対応しており、とくに悪性リンパ腫の治療開発に力を入れています。
齋藤 統子
血液腫瘍全般の診療をしています。患者さんの病状、生活背景など考慮し、最良の医療を提供できるように努めています。
萩原 真也
血液腫瘍を中心にその他の血液疾患も診療をしています。一般的な治療を中心に、最先端の治療、臨床試験、治験を含め、患者様にとってより良い治療法を提示し、一緒に治療方針決定したいと考えております。
川口 裕佳
血液悪性腫瘍を中心に血液疾患の診療をさせていただいております。診断・治療において、患者様の希望も大切にしながら、チームで協力して適切な診療に取り組んでまいります。

診療実績

診療統計

 2020年2021年2022年2023年
疾患登録患者件数124122121142
リンパ腫11510888100
 ホジキンリンパ腫1618
 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫55404143
 濾胞性リンパ腫19261117
 辺縁帯リンパ腫/MALTリンパ腫910129
 マントル細胞リンパ腫1525
 原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫1202
 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫5314
 T細胞リンパ腫15786
 NK/T細胞リンパ腫4100
 成人T細胞白血病・リンパ腫0130
 その他のリンパ腫5896
多発性骨髄腫・形質細胞腫912613
急性骨髄性白血病55615
慢性骨髄性白血病3265
骨髄異形成症候群4345
その他の骨髄増殖性疾患2200
その他10231813

研究実績

研究実績(公開準備中)

治験・臨床試験

当科では多くの国内および国際治験を行っております。主な対象疾患は悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病・骨髄異形成症候群です。また、他の専門医療機関と連携し、多施設共同研究として、JALSG(成人白血病治療共同研究グループ)、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)のリンパ腫グループ、および、NBMTG(名古屋BMTグループ ) に参加し、臨床試験を進めています。

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