診療科・部門

AYA支援チーム

思春期・若年成人(AYA)世代について

AYA(アヤと読みます)世代とは、Adolescent&Young Adult(思春期・若年成人)のことをいい、15歳から39歳の患者さんがあてはまります。思春期に好発するがんと、若年成人に好発するがんが発症する年代であり、AYA世代に多い特徴的ながんも存在します。AYA世代は、進学、就労、結婚、子どもの誕生など、ライフステージが大きく変化する年代であり、患者さん一人ひとりのニーズに合わせた支援が必要となってきます。

下記は、「AYAがんの医療と支援のあり方研究会」が運営している情報サイト(外部サイトリンク)です。・・・がん体験者ゆえの孤立を感じるAYA世代のみなさんが一人でないと感じていただけることを願ってAYA世代のがんに関する情報やがんを経験したAYA世代とその側にいる方たちの声を届けていきます(HP本文より引用)。

思春期・若年成人(AYA)世代のがんの特徴

 毎年約2万人のAYA世代の方が、がんの診断を受けており、その90%以上は20歳以上の方です。10代では、小児に多いがん種が多く、20代30代では、乳がん、子宮頸がん、甲状腺がんの割合が増えるとともに、小児がんや10代でもみられる胚細胞腫瘍・性腺腫瘍の割合も高いという特徴があります。本邦のデータリンクとともに、愛知県がんセンターのデータも掲載します。

AYA世代のがんの患者数(がん統計:がん情報サービスより)

AYA世代における罹患率の高いがん種順位(2019年度:愛知県がんセンター)

AYA世代の患者さんとご家族の支援

各臨床科の垣根を超えた包括的ケアを行うため、当センターでは2020年4月より、AYA世代のがん患者さんとご家族を多職種で支援するAYA支援チームが発足しました。血液内科医、薬物療法医、整形外科医、婦人科医、乳腺科医などがん治療に携わる臨床医や、緩和ケア医、精神腫瘍科医、看護師 、医療ソーシャルワーカー(MSW)、理学療法士(PT)などの多職種が協働し、患者さん・家族の療養上の問題点を多角的な視点からアセスメントし、介入の方向性を検討し、必要に応じて、病棟や外来と連携しながら支援を行っております。

主な支援の内容

がん治療と妊娠・出産についての意思決定支援

がん治療の中には、生殖機能(妊孕性:にんようせい)に影響を及ぼすものもあります。その治療を選択することで将来、妊娠・出産が難しくなる可能性もあり、AYA世代の患者さんやご家族にとっては、「がん」の心配に加え、自分の将来が閉ざされてしまうような不安感に苦しむ方も少なくありません。2018年3月にがん対策推進基本計画(第3期)が閣議決定され、小児・AYA世代のがん患者さんに対する生殖機能障害および妊孕性温存に関する情報提供および意思決定支援体制整備が重要な課題として取り上げられました。
地域医療連携・相談支援センターでは、がん患者さんの妊娠・出産や治療による生殖機能への影響などの相談をお受けしています。また、当院で治療を受けられる患者さんの妊孕性温存に関するご相談をお受けし、主治医と連携して生殖医療専門機関へ円滑に受診できるようなお手伝いをしています。患者さんにとって、機会損失とならずに意思決定のサポートができるよう職種間・院内外の連携を心掛けています。

妊孕性温存治療費助成事業について

令和3年4月1日から、厚生労働省の「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」が開始されたことに伴い、全ての都道府県で、将来子供を産み育てることを望む小児・AYA世代がん患者さん等に対し、がん治療等の開始前に行う妊孕性温存治療に必要な費用や、その検体を用いた温存後生殖補助医療に必要な費用の一部について、助成が受けられるようになりました。詳細については地域医療連携・相談支援センターへご相談ください。

各自治体のがん患者妊孕性温存治療費助成事業詳細(外部リンク)

この公的助成⾦を受けるには、⽇本がん・⽣殖医療登録システム(新JOFR)にご参加いただく必要がございます。

就労支援について

AYA世代にとって、働くことはもっとも関心が高いことの1つであると思います。がんの治療と就職・就労の両立は、多くのAYA世代の患者さんにとっての課題です。地域医療連携・相談支援センターでは、産業医と主治医との間に立って療養と就労の両立をはかる支援を行っております。また、社会保険労務士、ハローワーク(就職支援ナビゲーター)、愛知産業保健総合支援センターの両立支援促進員による、就職・就労相談を行っております(予約制)。

お子さんやご家族との関わりについて

当院では、お子さんのいる患者さんが安心して療養生活を送ることができるように、ご家族全体のサポートをしております。がんの治療は、当事者にとって大きなストレスとなりますが、子どもにとっても親の病気は大きな出来事です。ご自身の病気や治療を「子どもにどう伝え支えていくか」については、看護師が個別にご相談に応じています。一緒に考えていきましょう。

AYA世代の患者さんとご家族に関わる助成事業の例

AYA世代は、進学、就労、結婚、子どもの誕生など、ライフステージが大きく変化する年代である一方で、経済的にはまだ安定していない年代であるともいえます。ここでは患者さんやご家族が、安心してがん治療に向き合うための、様々な公的助成制度や減免制度を紹介します。なお、ここに記載してあるものがすべてではない可能性もあり、お住まいの自治体によって様々ですので、詳細については地域医療連携・相談支援センターへご相談ください。

外部サイトリンク

運営:国立研究開発法人 国立がん研究センターがん対策研究所 がん情報提供部

運営:日本がん・生殖医療学会 Oncofertility Consortium Japan

患者さんからのご相談はこちら

メールでのご相談

がん患者さんご本人、ご家族等のご相談に応じています。当センターに通院していない方にもご利用いただけます。返答には数日かかりますことをご了承ください。

対面・電話でのご相談

相談支援センター(外来棟2階)
稼働

月曜日〜金曜日 9:00〜17:00(専用電話は16:00です)
(祝日、年末年始を除く)
TEL:052-762-6111(代表)
TEL:052-764-9893(がん相談専用)

  • 入院中の患者さん・ご家族の方は、病棟スタッフを通じて相談予約していただけます。
    病棟にお伺いして、相談に応じることもできます。
  • 相談業務は、医療ソーシャルワーカー、看護師が患者さんやご家族の相談に応じています。