当センターについて

手術、放射線、化学療法に次ぐ、新たな第4の治療法

いまを、未来を、
あなたと共に
Interview
臨床との距離が近く、
迅速に研究が進められる
腫瘍免疫制御トランスレーショナル
リサーチ分野 分野長
松下 博和(まつした ひろかず)

私が研究しているのは、籠谷先生がお話しされた2つの治療法の前者、身体の中にある免疫細胞をワクチンなどで活性化させ、がん細胞を攻撃できるようにする、という治療法です。がん細胞には患者さんそれぞれに違った目印があります。その目印を見つけ目印に対して攻撃ができるよう、身体の中にある免疫細胞を活性化させるという研究です。がんに対する免疫作用にはさまざまな抑制がかかっており、その抑制を解除することによって免疫反応が起こりだし、がんをある程度コントロールできるということもわかってきました。現在、約1~2割のがんに対しての効果が認められていますが、今後はさらにこれを増やしていくことができるのではないかと考えています。

がん免疫療法の研究は、先ほど申し上げたようにがん細胞の目印が患者さんによって違うこともあり、いくら動物実験を繰り返しても限界があります。患者さんの検体を用いた研究が不可欠であり、それには臨床部門との連携が非常に重要です。愛知県がんセンターは臨床と研究の垣根が無く、お互い顔の見える関係で、研究が迅速に進められる環境が整っています。この環境を十分に活用し、有効な治療法の確立に向け、努力してまいります。