当センターについて

病気を診るのではなく、その人と生活を診ています

いまを、未来を、
あなたと共に
Interview
病気を診るのではなく、
その人と生活を診ています
緩和ケアセンター
下山 理史(しもやま さとふみ)

皆さんは「緩和ケア」という言葉にどのようなイメージを持っていますか?痛みなどの症状をやわらげてくれる、精神的なケアをしてくれる、といったところでしょうか。もちろんそれも間違いではありません。また、「緩和ケア」に終末期のイメージを持たれている方も少なくないかもしれません。

緩和ケアセンターでは、治療の初期段階から積極的に介入し、患者さんのあらゆる悩みに、患者さんと一緒に向き合っていきます。たとえばがんになったことを自分の子どもにどう伝えたらいいか、反対に高齢の両親や祖父母にどう話したらいいか。また患者さんのご家族が患者さんとどのように接していけばいいのか。治療法に関して疑問に思う点があるが、医師にどのように聞けばよいのか。こうした悩みは身体的な痛みでもなければ精神的な問題でもありません。しかし多くの患者さんやご家族が抱える大きな悩みのひとつです。このような悩みに正解は無く、患者さんやご家族によっても対応は変わってきますので、一人ひとりの患者さんとそのご家族に向き合い、一緒に解決法を探っていきます。

患者さんが私たち医療関係者と接している時間は、24時間365日の中のほんの一部です。病気や症状だけを診るのではなく、その人の背後にある生活全体を診るのが私たちの仕事です。緩和ケアセンターでは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、ソーシャルワーカーなどのスタッフがそれぞれの専門性を発揮し、患者さんのQOLの向上に取り組んでいます。また、患者さんがそれぞれの地域に戻られてからも、その人がその人らしい生活を維持できるよう、地域医療機関との連携を行うとともに、研修会・勉強会を通じて緩和ケアについての学びを深めています。