国内外の研究者と協働し、がん医療の未来を創る
愛知県がんセンターでは、2017年に「キャンサーバイオバンク愛知」を設立しました。「キャンサーバイオバンク愛知」は、愛知県がんセンターで治療を受けられている患者さんの血液や組織などの生体試料や診療情報などを蓄積し、新たながんの治療法、予防法の創出に寄与しようというものです。
私たちが現在享受している治療法や予防法は、すべて過去に治療を受けた患者さんのデータや医師の経験によって生み出されたものです。現在の患者さんの試料やデータを蓄積し、研究に役立てることは、私たちの子どもや孫の世代の新しい治療法、予防法、がん医療の未来を創ることに他なりません。
「キャンサーバイオバンク愛知」では、検査結果や患者さんがどのような治療を受けてどのような成果があったのか、患者さんの既往症などのデータだけでなく、検査や手術の際に採取した患者さんの血液や組織などの生体試料を収集・管理しています。なぜ検査結果だけではないのか。それは今行われている検査は、現在その成果が明らかになっている検査方法でしか検査がなされていないからです。同じ血液検査であっても、将来においては違う検査の成果が見いだされているかもしれません。その際にこの生体試料が大きな価値を持つことになります。ここで集めているデータや資料はいわば未来の人々への贈り物なのです。
愛知県がんセンターの研究者だけでなく、国内外の大学・研究機関と協働し、「キャンサーバイオバンク愛知」で収集したデータや試料を有効に活用して、がん医療の未来を創出していきたいと考えています。