研究所長ごあいさつ
愛知県がんセンターは、1964年に開設され、愛知県がんセンター研究所も病院と同じ敷地内に独立した愛知県のがん研究を牽引する専門研究機関として設置されました。それ以来、研究所は、歴代の高名な研究所長のもとで研究を発展させ、素晴らしい成果を上げて参りました。さらに、将来の医学・医療の発展を見据えて、研究所の研究力と応用力のさらなる強化のための組織改革も進めています。近年は、最先端のがん研究を推進するだけでなく、病院と協働することで愛知県がんセンターが「コンプリヘンシブ・キャンサーセンター(総合がんセンター)」として県民の皆様に最先端のがん診療を提供できるよう貢献しています。これまでの膨大ながん研究の成果を背景に急速に進展するがん医療は、もはや病院の医師や医療スタッフだけでは安全かつ効果的に地域に届けることが難しくなっています。例えば、2019年からがんゲノム医療が保険適用され、愛知県がんセンターは県内唯一のがんゲノム医療拠点病院に指定されましたが、その実施にはがん研究やゲノム解析の専門家の参加が必須であり、研究所は総合がんセンターの一翼を担う重要な責務を担っています。
私たち愛知県がんセンター研究所は、将来のがんの予防・診断・治療の基盤となる革新的な研究成果を世界に向けて発信し、国内外のがん研究拠点としての役割を果たすとともに、病院とともに次世代の総合がんセンター構築に向けて邁進いたします。しかし、がん研究の成果は、決して研究者・研究スタッフだけで得られるものではなく、皆様の協力のもとで共に生み出されていくものです。皆様にご参加いただいている「キャンサーバイオバンク愛知(CBBA)」も、次の世代のがん研究の基盤となり将来の命を守るための取り組みの中核となるものです。今後とも、研究所への増々の温かいご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。