建物・施設
研究所棟
研究所は研究所棟本館(本館)、生物工学総合実験棟(生工棟)、研究所棟北館(北館)の3棟で構成されています。
研究所棟本館
本館は地上6階、地下1階で、延べ床面積は約7,000m2あり、2002年1月11日に竣工しました。
生物工学総合実験棟
生物工学総合実験棟(生工棟)は地上4階、地下1階で、延べ床面積は約2,000m2あり、1988年8月31日に竣工しました。
2017年に1階、及び2階が、また、2019年に3階が改修されました。
研究所棟北館
北館は地上4階、地下1階で、延べ床面積は約3,000m2あり、1983年11月23日に竣工しました。2002年1月11日に3階の一部を改修しました。研究所は3階と2階の一部を使用しています。
各棟および病院棟は2階部分で渡り廊下により連結されています。
共通機器室
共通機器室は研究所棟本館、北館、生物工学総合実験棟の各フロアに配置されており、研究所共同利用の実験機器が配置されています。
共通機器室第1実験室
バイオハザード仕様(室内陰圧)となっており、ウイルスなど感染物を取り扱う研究を実施することができます。
- 細胞培養設備、冷却遠心機、オートクレーブ、細胞解析装置(FACSソーター型)などが設置されています。
- 前室には-150℃型超低温槽が設置してあります。
共通機器室第2実験室
医師主導型の細胞治療や再生治療に用いるヒト細胞・組織を培養するための、医薬品の製造管理および品質管理に関する基準(GMP基準)に準拠したバイオハザード対応型のクリーンルーム施設です(2004年3月に設置)。
- 細胞培養室、細胞保存室、準備室、更衣室、モニター室などで構成され、作業ミスを防ぐために作業動線が一方通行になるように作られています。
- 病原体による汚染を防ぐために、各室の独立性は清浄な空気による差圧で保たれ、ドアもインターロック方式になっています。
- 細胞の製造・品質管理のために、機器の運転状況、入退室なども常時モニターし、記録しています。
- 細胞培養設備、超低温槽(-150℃型と-85℃型)、オートクレーブ、記録監視警報装置などが設置されています。
- 空調などすべて発電回路で運転しています。
暗室
外からの光がはいらないように特別に作られており、感光材料の取り扱いやフィルムの現像作業等に使用します。CCD写真撮影装置、自動現像機が設置されています。
セミナー室/小セミナー室
使用できるセミナー室は、下表に示す各室です。
最大収容人員 | |
---|---|
セミナー室 | 30人 |
小セミナー室 | 8人 |
国際医学交流センター メインホール | 350人 |
国際医学交流センター 大会議室 | 100人 |
国際医学交流センター 視聴覚室 | 50人 |
動物飼育実験施設
本館の地下1階に発生工学動物実験施設、通常動物実験施設、中動物実験施設、および洗浄作業室が配置されています。
発生工学動物実験施設
SPF仕様の清浄動物飼育室7室と、発生工学動物実験室3室を併設した動物実験施設です。
空調は24時間運転で、給気口のHEPAフィルターによって無菌の空気を室内に供給し、外部からの汚染空気の進入を防ぐため、清浄区域内を常時陽圧に保っています。
飼育室は、動物飼育ラックごとにパーティションで隔離されており、ラック背面から清浄空気が直接供給され、他のラックの排気と混ざることなく排出されるように工夫されています。
動物の室外逃亡を防ぐよう設備が施され、遺伝子導入あるいは欠失マウスを利用した遺伝子機能解明の研究に万全を期した設計となっています。
主な備品
機器名 | メーカー | 型式 |
---|---|---|
X線照射装置 | メディエックステック | MX-160Labo |
In vivo イメージング装置 | パーキンエルマー | IVIS Lumina LT-BS-T34 |
小動物用CT | リガク | CosmoScan GXⅡ/COSMOGXⅡ-MD-T2 |
大型オートクレーブ | サクラ精機 | FRC-Y18AN2W |
動物飼育ラック | ダイダン | セパラックシステム |
ダイダン | アイラックシステム | |
イシハラ | MVCS-70 | |
TECHNIPLAST | DGM80CPSU | |
安全キャビネット | 三洋電機 | MHE-130(2台) |
日立 | SCV-1300EC2AL特 | |
炭酸ガス培養器 | 日立 | CH-16H |
冷凍冷蔵庫 | 日本フリーザー | KGT-3546F3 |
インキュベーター | 三洋電機 | MIR-262 |
製氷機 | ホシザキ電機 | FM-120D |
オートクレーブ | トミー精工 | BS-245 |
通常動物実験施設
ラットおよびマウスを飼育するコンベンショナル仕様の動物飼育室6室と、実験室1室を備えた動物舎です。
空調は24時間運転で、飼育室天井中央から給気され、空気は飼育ラック前面から入って背面が排気ダクトにつながっている構造です。
飼育室内は廊下に対して陰圧に保たれています。
通常動物舎ではありますが、清浄度を高く保つため、廊下に前室を設け、履物・着衣を準備室で交換して入ります。
主な備品
ラック | メーカー | 名称・台数 |
---|---|---|
ラット飼育用 | ダイダン | ラミフロー・8台 |
マウス飼育用 | ダイダン | ラミフロー・12台 |
中動物実験施設
ウサギを飼育するための部屋です。
自動水洗装置付のウサギ用ラック2台があり、合計15羽まで飼育できます。
RI実験施設
当研究所のRI実験室は、研究所本館(第1~第5RI実験室)に設置されています。
第1RI実験室は、RI実験室のほかに、測定室、暗室、機器室、コールドルーム、貯蔵室および廃棄物保管室があります。
また、RIモニタリングや排水の管理は、RI管理室(生工棟2階管理室内)で遠隔管理しています。
RI実験施設 カウンタ/モニタ類
液体シンチレーションカウンタ
放射性同位元素(特に3H,14C,32P,33P,35S等のβ崩壊核種)で標識された試料の崩壊率(DPM)、または計数率(CPM)を計測するための装置です。
標識した試料を、液体シンチレーターに溶解して、試料から放出されたβ線のエネルギーが、液体シンチレーターに吸収されたときに発生する光子の数を計数します。
γカウンタ
放射性同位元素(特に 51Cr,125I等のγ崩壊核種)で標識された試料の計数率(CPM)を計測する装置です。
標識した試料から放出されたγ線のエネルギーが、固体シンチレーター(NaI)に吸収されたときに発生する光子を、パルス電流に変換して計数します。
ベンチカウント(クイックカウント・ラピッドカウント)
32Pおよび125I等で標識された試料の計数率(CPM)を計測するための簡易卓上型カウンタです。
標識した試料から放出されたβ線やγ線によって、半導体検出器内で発生したイオンの微弱なパルス電流を増幅し計数します。
GMサーベイメータ
主として 32P等のβ核種による表面汚染検査、または放射活性の確認等に使用します。
検出管(GM管)内に入射した放射線によって生じた電離イオンを増幅させ、パルスとなったものを計数します。
γ線用シンチレーションサーベイメータ
放射線使用施設(RI実験室等)内の空間線量率の測定や、γ崩壊核種による表面汚染検査等に使用します。
検出管内に入射した放射線(γ線)のエネルギーが、固体シンチレータ(NaI)に吸収されたときに発生する光子を、パルス電流に変換して計数します。
電離箱式サーベイメータ
放射線使用施設(RI実験室等)内の空間線量率の測定や、積算レンジを使用してのX線照射時の瞬間線量の測定に使用します。
検出管(電離箱)内に入射した放射線によって生じた電離イオン対を、正負両電極に集め、電離電流として計測するものです。
ハンドフットクロスモニタ
RI実験室の出入口(汚染検査室内)にあります。作業者の手・足・衣服等の放射性同位元素の汚染を検知するためのモニタです。
両手・両足部にそれぞれ検出部(GM計数管)があり、同時に測定できます。
また衣服用の検出器は独立しており、衣服のみならず他の部位の汚染モニタとしても使用できます。
組み換えDNA実験施設
組換えDNA実験施設を行う施設として、研究所本館の各分野に、P2レベルの組換えDNA実験行うことができる遺伝子実験室が設置されています。
管理室
火災警報監視盤、館内放送設備、空調その他の中央監視装置などがあります。
図書室
がんセンター病院と研究所の共同利用施設として、研究所北館2階に設置されています。閲覧室やコピー室があり、図書約2万冊、雑誌約3万冊を所蔵しています。
利用時間
月曜日~金曜日 9時~17時
(その他の曜日・時間は暗証番号による自主管理で利用できます。)