診療科・部門

呼吸器内科部

令和4年3月改訂

概要

呼吸器内科では肺がん、胸膜中皮腫、縦隔腫瘍など胸部悪性腫瘍の診断と内科的治療を担当しています。がんゲノム医療とがん免疫チェックポイント療法に力を入れ、標準治療だけでなく治験、臨床試験も提案します。呼吸器内科カンファレンスを月曜日~金曜日の毎日開催し、専門性の高い最新の治療、最適な医療を提供するために多職種の医療スタッフと共同でチーム医療を行っています。

呼吸器内科部において診療対象となる患者さん

  • 健康診断、胸部画像(X線、CT)などで肺がん、胸膜中皮腫、縦隔腫瘍などの胸部腫瘍が疑われる方
  • 肺がん、胸膜中皮腫、縦隔腫瘍などの胸部腫瘍の治療を受けられる方
  • 肺がんに対する治験、臨床試験を受けられる方
  • がんゲノム医療を受けられる方(肺がん、胸膜中皮腫、縦隔腫瘍などの胸部腫瘍)
  • セカンドオピニオン

藤原 豊 部長

診療内容

肺がん、胸膜中皮種、縦隔腫瘍など胸部悪性腫瘍の診断と内科的治療を行います。患者さんの立場にたった最良のがん医療を目指しています。

呼吸器内科部では、気管支鏡、超音波気管支内視鏡(EBUS)から組織診断を行います。気管支からのアプローチ困難の場合にはCTガイド下生検や消化管からの超音波内視鏡検査を行います。呼吸器外科部、放射線診断部・IVR部、消化器内科部など各診療グループと連携して確実に診断します。遺伝子病理診断部と密接に連携し短期間で遺伝子診断を実施し、すみやかに治療を開始しています。

肺がんに対しては、外科療法、放射線療法、薬物療法(殺細胞抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬)を組み合わせた集学的治療が行われています。その中でも、我々はがんゲノム医療(Precision Medicine)とがん免疫チェックポイント療法に力を入れています。従来は難治性の肺がんでしたが、薬物療法の進歩により治療成績が大きく改善しています。最良のがん医療を提供するために、呼吸器外科部、放射線治療部、放射線診断部・IVR部などの診療科医師、看護師、薬剤師、多くの医療スタッフと共同で診療を行っています。

スタッフ紹介

藤原 豊 (ふじわら ゆたか)
役職
呼吸器内科部部長
学会・資格
日本内科学会 総合内科専門医
がん治療認定医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医
日本臨床腫瘍学会 指導医・協議委員
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・呼吸器指導医
日本肺癌学会会員
日本癌学会会員
米国臨床腫瘍学会 Active member
The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) Active member
がん免疫療法ガイドライン作成委員
がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン作成委員
堀尾 芳嗣(呼吸器内科部) (ほりお よしつぐ)
役職
外来部部長
専門分野
肺癌を含む胸部悪性腫瘍の診断・治療、臨床腫瘍学
学会・資格
日本内科学会 総合内科専門医・指導医・認定内科医
日本臨床腫瘍学会 指導医・がん薬物療法専門医・評議員
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・呼吸器指導医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医・気管支鏡指導医
日本肺癌学会 評議員
日本医師会 認定産業医
日本癌学会会員
清水 淳市 (しみず じゅんいち)
役職
呼吸器内科部医長
学会・資格
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・呼吸器指導医
日本内科学会 総合内科専門医
日本肺癌学会(中部支部・評議員)
日本臨床腫瘍学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本感染症学会
日本アレルギー学会
西日本がん研究機構(WJOG)理事
渡辺 尚宏 (わたなべ なおひろ)
役職
呼吸器内科部医長
学会・資格
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・呼吸器指導医
日本内科学会 総合内科専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
山口 哲平 (やまぐち てっぺい)
役職
呼吸器内科部医長
学会・資格
日本内科学会 総合内科専門医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
松澤 令子 (まつざわ れいこ)
役職
呼吸器内科部医長
学会・資格
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本内科学会 総合内科専門医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・がん薬物療法指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本呼吸器内視鏡学会
日本肺癌学会

外来診療担当医

渡辺(初診)
堀尾(再診)
清水(淳)(再診)
山口(再診)
藤原(初診)
渡辺(再診)
松澤(初診)
清水(淳)(初診)
藤原(初診)
松澤(再診) 
山口(初診)
山口(初診)
堀尾(再診)
清水(淳)(再診)
渡辺(再診)
堀尾(初診)
山口(再診)
松澤(再診)
藤原(初診)

患者さんへのメッセージ

藤原 豊
患者さんに標準治療および臨床試験を含めた最適な治療を提供できるよう努めます。十分な説明のもと納得のいくがん治療を受けていただきたいと思います。またこれからは、サバイバーの方の支援に取り組むことも大切です。そのために多職種のエキスパートと協力してがん診療にあたらせていただきます。
堀尾 芳嗣(呼吸器内科部)
丁寧な診察を行う医師であるように心がけていきたいと思っています。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。平成13年7月に当院へ呼吸器内科医長として赴任し、平成21年4月より外来部長をしています(外来診療日:月曜日、木曜日、金曜日(初診)外来部ホームページも参照お願いします)。
清水 淳市
それぞれの患者さんに合った、適切な医療ができるように心がけております。よろしくお願いします。
渡辺 尚宏
治療を受けて頂く上で大事なのはまず治療内容について十分ご納得いただく事です。分からないことがあれば遠慮なくご質問ください。それぞれの患者さんにとって最善の治療を一緒に考えていきましょう。
山口 哲平
呼吸器悪性腫瘍(肺癌、悪性胸膜中皮腫、胸腺癌など)を専門としております。患者さんに寄り添い、ご本人の意思決定を尊重しながら、適切な医療を提供していきたいと考えております。
松澤 令子
近年、がんに対する治療は大きく変化しています。疾患や全身の状態はもちろんですが、患者さん自身が何を大切にしたいかによっても適切な選択は異なると考えています。患者さんがより納得して病気と向き合えるように努めていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

診療実績

愛知県がんセンターは、都道府県がん診療連携拠点病院、がんゲノム医療拠点病院として地域医療の中核を担っており、呼吸器内科部の年間の新規内科治療対象症例数は約200例です。最新の治療を、患者さん個々に最適な医療として提供するためチームを組み頑張っています。肺がんは腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんの4種類の組織型に大別されますが、それぞれ固有の発育進展様式を示し、抗がん剤、放射線に対する感受性にも差が認められています。最近では、治療の個別化が重要と考えられ、肺がんの遺伝子変化に基づいて治療法が選択される時代になりました。特記すべき進歩の一つは、従来の治療法では効果が殆ど認められなかった患者さんにも、適切な分子標的薬を選択することにより劇的な治療効果がもたらされる事です。また、免疫チェックポイント療法により長期にわたっての治療効果の持続も見られるようになってきました。 標準治療だけでなく、効果の期待される未承認の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の治験も行っています。日本の臨床試験グループの主要施設として新規標準治療法の開発を目指した臨床研究を行っています。

治験・臨床試験

呼吸器内科の治験は、分子標的薬や免疫治療薬を中心に20試験以上施行中です。臨床試験は厚生労働省肺がん研究班(JCOG)や西日本がん研究機構(WJOG)等で約10試験施行中です。

主な活動

呼吸器内科カンファレンス月曜日~金曜日 毎日開催
放射線治療カンファレンス月曜 毎週開催
チェストカンファレンス(呼吸器外科部、放射線治療部)火曜 毎週開催
呼吸器内科リサーチカンファレンス火曜 毎週開催
研究・学会活動呼吸器内科論文数:2020年1月~12月の英語論文41編